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紙の雑誌の未来はどうなる? デジタル雑誌の仕掛人に聞いた!

「NEXT MAGAZINE」をご存知だろうか?

“出版社横断”で開催される「NEXT MAGAZINE」は、サイトにアクセスすれば登録もアプリのDLも不要で、15社78タイトル以上(予定)の雑誌が無料で読める期間限定のウェブサービスだ。たとえるなら、本屋の雑誌コーナーが数日間読み放題になるようなもので、いわばウェブの”雑誌フェス”。この「NEXT MAGAZINE」は過去3回開催されており、サイトの総アクセス数は5,252万ページビュー(PV)という驚異的な数字をたたき出している。そして第4回は、auスマートパスの日とコラボした先行公開からスタートし、12月22日〜1月3日まで開催される

近年、各種ウェブメディアに押されているという印象の雑誌メディア。しかし、長年培われてきた、”プロの編集”としての経験値や人脈、センスなど、数値化しづらい”資産”は計り知れない。

それらを生かし、出版社がウェブの大海に乗り出すとき、一体どんなビジネスモデルが生まれるのか? 開催を目前に控えた「NEXT MAGAZINE」、今回はキーマン2人に雑誌の今と未来を聞いた。

「NEXT MAGAZINE」はウェブで雑誌が無料で立ち読みできる

第4回「NEXT MAGAZINE」が目指すもの

まずお話を伺ったのは、「NEXT MAGAZINE」主幹会社であるハースト婦人画報社デジタルプロダクト部、製作部、そして『ハーパーズ バザー』編集部のトリプルマネージャーの松延秀夫さん。これまでに男性誌の副編集長や女性誌の編集長を務めた敏腕編集者であり、「NEXT MAGAZINE」の発案者であり、全体のまとめ約的存在だ。


「『NEXT MAGAZINE』は現段階では事業化されていませんから、有志が集まってこの1年間、プロジェクトを進めてきました。完全に手作りですよ(笑)」

「ご存じのように雑誌市場は縮小しています。20年前と比べると、約半減という印象です。街の書店は減り、コンビニの雑誌の棚も縮小しています。ですが、長年雑誌に親しみ、編集に携わってきた身として、”沈んでいく船”をぼんやり眺めているわけにはいきません。雑誌は面白いんだよ、という気づきの場を設けることが必要だと考えたんです」

雑誌そのものの認知を高めるため、デジタルに可能性を求めたのがスタートだった。「NEXT MAGAZINE」の狙いは以下の3点。

1. 出版社の責任において、簡単に雑誌が立ち読みできる場をつくる。

2. まだまだ十分に提供されていないデジタル雑誌の楽しみ方をスマホで体験してもらう。

3. デジタル・リアルともに書店を活性化する。

「第4回はレギュレーションとして、”1誌あたり少なくとも30ページ読めること””企画を途中で切り、『続きは本誌で』はナシ”と決めました」

実は前回までは「各誌50ページ以上」だった。それを30ページまで減らしたのは、1誌あたりに滞在する時間を減らすため。インターネットのスクリプション(月額制などの一定料金)サービスは、たとえば「5分空いたからこれを見よう」「次に降りる駅まで見よう」と、“スキマ時間”で細切れにコンテンツを選ぶユーザーが多い。そこで、今回は雑誌ごとのウェイトを軽くして、ユーザーがより多くの雑誌に接触できるようにしたのだ。また、第4回では「男性誌/女性誌」のカテゴリー分けを廃止。そこにはデジタルの大きな特徴であるターゲティング広告に異を唱える考えがあるという。

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