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吐くものがなくなり、声がカサカサに…十月十日、出産の瞬間まで続いたつわり

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私は10代の頃から不妊症になる可能性を診断されていて、23歳で結婚し、25歳から本格的な治療をして一年がかりでひとりめを妊娠することができました。

それまでも妊娠を期待しすぎてか、生理前にムカムカしたり、吐き気がしたりしていましたが、『ほんもの』はそんなものではありませんでした。

始まりは妊娠4週目に入ってすぐでした。

なんだか胃がむかむかし、嗅覚が鋭くなったようで、どんな匂いにも敏感に反応して、気持ち悪くなりました。

特に揚げ物、にんにく、おしゃれな香りのする洗剤や芳香剤の匂いを嗅ぐと、トイレに駆け込んでいました。

それも最初は1日1回だったのが、日に日に回数が増え、妊娠3か月目に入るころには、1日に10回以上トイレに通うことも頻繁にありました。

とはいえ、

「つわりは待望の妊娠継続の証拠」

と自分に言い聞かせて我慢。

安定期の5か月目ごろには落ち着くだろうと期待していました。

しかし、つわりの症状は一向に変わりませんでした。

特に朝の起きがけと、疲れの溜まってくる夕方から夜にかけてがひどく、主人は、私のうめき声を目覚まし時計代わりにし、夕方の「お帰りなさい」もトイレからの言葉にならない声を聞いていました。

幸いなことに、主人はそこまで心配性な性格でなく、また自分のことは自分でやってくれていたため、私のひどい有様にも徐々に慣れ、こんな私の状態さえも生活パターンの一つに組み込んで、食事を作れなくても、トイレから出てこなくてもしれっと生活していました。

(それが嫌な方もいらっしゃるでしょうが、私は必要以上に干渉をされるのが嫌だったので、本当に助かりました。)

こんな状態なので食事は普通量は食べられず、小さなおにぎりを小分けにして少しずつ食べ、ビタミンは果汁100%のアイスクリームで摂取、タンパク質は豆腐を食べ、その他の不足している栄養は、栄養補助食品のゼリーやクッキーでまかなっていました。

しかし、一番厳しかったのは、水とお茶を受け付けなくなったことです。

唯一、炭酸水だけは飲めました。食べては吐き、吐いては食べ、吐くものがなくなっても吐きたくなって、最終的に胃液と血が混じったものが出てくる時もありました。

胃酸でのどは焼け、声がカサカサになりました。

こんなひどい生活でしたが、ありがたいことにおなかの中の赤ちゃんは順調に育っていました。

7か月目を迎えるあたりで、ようやくトイレに駆け込む回数が1日3回くらいに減りました。

大きくなったおなかが胃を圧迫して、気持ち悪い状況は続きましたが、吐き気をコントロールできるような食事量や生活のペースがわかるようになったのです。

食事も少しだけまともなものが食べられるようになり、調子に乗ってビュッフェを食べに行き、食べたいものを好きなだけ食べて、あとからごめんなさいと思いながらすべてを吐いて、自分の中に潜む食欲を満たしていました。

その状態のまま臨月を迎え、出産前日まで1日1回はトイレに駆け込んでいた私ですが、ついに念願の出産の日を迎えました。

そして、赤ちゃんを生み落とした瞬間、十月十日ぶりの食欲が爆発しました。

分娩台で思わず、

「おなかがすいた!!」

と叫んでしまったのです。

付き添った主人に、赤飯のおにぎりをコンビニで買ってきてほしいとお願いし、病室に戻ってすぐに夢中で食べました。

ただのコンビニのおにぎりですが、あれ以上に美味しいおにぎりをいまだかつて食べたことはありません。

妊娠・出産の何が大変なのかと聞かれたら、私は即座に「つわり」と答えます。

でも、産んでしまったらあっという間になくなって、しだいにそのつらさも忘れました。

だからふたりめも望めました。

そして『ふたりめのつわりはひとりめとは違う』いう言葉を信じ、でも結局同じような状況で苦しみながら、ふたりめも産みました。

つわりは嫌でしたが、狭いおなかの中で子どもたちが頑張っていた証拠で、私も一緒に頑張れてよかったと今は思えます。

そして今、主人と子どもたちと美味しい食事を思いっきり食べられてとても幸せです。

著者:きのこ

年齢:30歳

子どもの年齢:泣き虫4歳娘とやんちゃな1歳半娘

社会生活から離れて、どっぷり子どもとの生活5年。プリキュアとか、ワンワンとか、アンパンマンじゃない、大人の世界を感じたい今日この頃です。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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