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被疑者・被告人の署名のない弁護人選任届は無効?

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Q.

 被疑者からの依頼を受けた弁護人が検察庁に提出した弁護人選任届には、弁護人の署名と捺印はありましたが、前科のある被疑者は署名をすることなく、A警察署留置場内1番と書いてあり、指印がされていました。

 刑事訴訟規則17条と18条は、署名を求めていますが、被疑者が特定されているため、この弁護人選任届は有効としてよいのでしょうか?

(1)署名がないから無効である
(2)特定されているから有効である

A.

正解(1)署名がないから無効である

 憲法38条1項は、不利益事項についての供述拒否権を規定しています。そこで、氏名も不利益事項に該当するかが問題となりますが、学説の中には不利益事項に含まれるとする立場もあるものの、最高裁昭和32年判例はこれを否定しています。

 さらに、被疑者の署名について、憲法38条1項の不利益事項に含まれないとしつつも、弁護人選任届は、その主体が特定できればよいとする立場もあります。
 しかし、最高裁昭和40年判例は、弁護人選任届が要式行為(法令に定められた一定の方式に従わなければ効力が生じない行為)とされている理由は、手続を厳格丁寧にして、過誤のないようにするためであるとして、氏名を記載することができない合理的理由がないのに、これに違反した弁護人選任届による弁護人選任は無効としています。

 したがって、被疑者の署名を欠いた弁護人選任届は無効となります。

元記事

被疑者・被告人の署名のない弁護人選任届は無効?

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