ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう

「犯罪的なくらい無責任」 欧州放射線リスク委員会のバズビー博士が政府を批判

DATE:
  • ガジェット通信 GetNewsを≫
ECRRのクリス・バズビー博士(写真・左)

 欧州放射線リスク委員会(以下、ECRR)のクリス・バズビー博士は2011年7月20日、自由報道協会主催の記者会見で、「国際放射線防護委員会(ICRP)による放射線リスクモデルは内部被曝に関する点で、非常に危険だ」と指摘。その上でバズビー博士は「(ICRPのリスクモデルに基づいて)『そこに住み続けて大丈夫だ』と言う(日本)政府は犯罪的なくらい無責任だ」と語った。

 バズビー博士が科学議長を務めるECRRは、放射線による人体への影響等について研究する独立機関である。核実験やチェルノブイリ原発事故などで飛散した放射性物質により内部被曝をした人々に疫学(地域や集団内での疾患などを明らかにする)的な調査を行い、ICRPとは別に独自の放射線リスクモデルを構築している。

 「ICRPのリスクモデルは内部被曝に関して、非常に危険だ」「ECRRのリスクモデルを福島第1原発から放出された放射性物質にも適用するべきだ」――。このように語るバズビー博士は、「日本政府はICRPのリスクモデルに基づいて、たとえば『毎時1マイクロシーベルトの地域では安全に暮らせる』と言っている」点に注目する。バズビー博士らの調査によると、福島第1原発から100キロメートル付近を走っていた自動車のエアフィルター内部から人体に非常に有害なα線を放出するプルトニウムやウランが検出されたという。エアフィルターをガイガーカウンターで検査しても低い線量しか示さないため、博士は「毎時1マイクロシーベルトでも避難すべきではないか」と主張する。

 博士はさらに、

「空気中のホットパーティクル(放射能を帯びた粒子)濃度は、北半球で核実験が行われたピークの時と比べても、福島県のほうが約1000倍になっている。そこに今の人口が残るということになると、(福島第1原発から)100キロメートル以内の地域の場合、今後10年間の間にガンの発生率が約32%増加する」

と独自の計算結果を提示し、

「こういうことはかなり前から分かっているので、『そこに住み続いて大丈夫だ』と言う日本政府は犯罪的なくらい無責任ではないか」

と、日本政府の対応を批判した。

(山下真史)

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] クリス・バズビー博士のレクチャー部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv56630754?po=news&ref=news#14:02

【関連記事】
福島原発行動隊、原発を視察 メンバーからは報告に「幻滅した」の声
菅首相「原発に依存しない社会を目指す」 脱原発解散は否定
「ヨウ素はなかなか落ちなかった」自衛隊特殊武器防護隊長が語る
原発30キロ圏内のみ補償金 同じ南相馬市民でも「金銭的に差別」と市長が憤り
チェルノブイリ取材した高世氏 「原発事故、気の遠くなるコスト払う覚悟必要」

ニコニコニュースの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。