条件なのか、期限なのか?

Q.
法律には「条件」と「期限」という考え方があります。いずれも、法律行為の効力の発生または消滅を、将来の事実に関連させる附款というものです。
期限とは、将来確実に発生する事実と関連させるもので、条件は将来発生するかどうかがわからない不確実な事実と結びつけるものです。
さて、某係長が「おれが課長になったら支払うからボトルキープを」と言って、バーでツケ払いを打診しました。この支払いは条件でしょうか、期限でしょうか?
(1)出世なんて見込めないご時世だし、「条件」
(2)課長くらいなら昇進できそうだし、「期限」
A.
正解(2)課長くらいなら昇進できそうだし、「期限」
課長くらいならというわけではありません。
実は、古い裁判例ではありますが、いわゆる出世払いが「期限」であり、将来確実に発生する事実とされたものがあります(参照:大判大正4年3月24日)。
以降は、出世払いは期限であると裁判実務では扱われるようになりました。