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青年海外協力隊をリアルに描いた映画「クロスロード」の裏側に迫る!<後編>

Photo Credit: Shohei Watanabe「フィリピン マニラ ホスピタリティとカオスの街」

Photo Credit: Shohei Watanabe「フィリピン マニラ ホスピタリティとカオスの街」

こんにちは!TRiPORTライターの元青年海外協力隊アオノトモカです。
前回に引き続き、絶賛上映中の映画『クロスロード』について、企画・製作を行った青年海外協力協会(JOCA)の吉岡氏、香月氏、河津氏のインタビューをお伝えします。

ーさて、すずき監督からもフィリピンでの撮影がかなり大変だったと伺いましたが、いかがでしたか?

吉岡氏:最初はマニラで撮影を行う予定でしたが、現地の様子を見てバギオへ舞台を変更しました。マニラではすでに現地出演者のオーディションも行っていたのですが、それも全てやり直しです。また、40年ぶりの台風が撮影地に向かってきて、シナリオを変更せざるを得なかったり、とにかくバタバタでした。

河津氏:その都度状況を見て、シナリオを変更しながら、スケジュールを調整して…と、かなり慌ただしかったです。臨機応変な対応が常に求められていて、撮影自体が協力隊の活動みたいでしたね(笑)。

香月氏:本当、撮影自体をドキュメンタリー映画にできるんちゃうかと思いましたね(笑)。

吉岡氏:でもフィリピンの人たちって演技がすごく上手ですよね。彼らのエンターテイメントの才能にはびっくりしました。フィリピンで有名なコスプレイヤーであるアローディアさんも重要な役として出演していますが、とても一生懸命やってくれたと思います。

Photo Credit: Fei Chen

Photo credit: Fei Chen

ー私も協力隊として活動中に現地でプロモーションビデオを製作したことがあるのですが、途上国での撮影って死ぬほど大変ですよね。しかもそれが映画ともなると…。心中お察しします(笑)。
大変な苦労をされて製作したこの映画には、どんな想いが込もっているのでしょうか?

吉岡氏:僕は協力隊の敷居を下げたかったんです。「貧しい国へ行ってボランティアをする」という協力隊の一般的なイメージって、理想的すぎると思うんですよ。だからあえて、映画の中でうまくいかない例を出すことで、「完璧である必要はない」というメッセージを届けたかったのです。

香月氏:青年海外協力隊事業自体そのものが、若者の成長物語だと思います。この映画の主人公と同じように「何もできなかった」という思いを抱えて帰国するのは、多くの隊員に共通して言えるのではないでしょうか。しかし私たちはそれを「失敗」とは言いません。協力隊で重視されるのは結果より過程です。カネもモノもない、最悪の条件の中でどうするのかという過程が大切なのです。本当に大変な映画製作でしたが、一般向けの試写会でも全体的に高評価でしたし、この作品にはかなり自信があります!!

Photo Credit: Fei Chen

Photo credit: Fei Chen

ーすごーくよくわかります(笑)。私も映画の主人公の「何もできなかった」という思いにとても共感しました。それが多くの隊員の現実であり、一般的なイメージとの間に大きなギャップがあるというのも賛同です。この映画を観て、協力隊の本当の姿をわかってくれる人が増えるといいですよね。
最後に、内向き傾向と言われている今の若者たちへ、人生の先輩としてメッセージをお願いします!

香月氏:昔、「書を捨てよ、町へ出よう」という言葉がありましたが、今は「コンピューターを捨てて、社会へ出よう」ですね(笑)。今の若い人には、インターネットの情報だけで全てを判断するのではなく、自分の体験を通して物事の価値観を感じて欲しいです。自分の五感で感じる世界こそが、本物なのですから。

吉岡:協力隊ってそもそも日本社会に適応していない部分がありますよね。日本は未だに終身雇用制が根強く、海外に出ることはある意味レールを「外れる」ことになります。しかし、そこには逆転のチャンスがあると思うんです。例えば、日本は「盆栽の国」だと思います。一人一人が勤勉で礼儀正しく、見事に手入れされています。ところが、世界に出ると日本では見たことがない大木に出会うこともあります。その大木が世界を牛耳っていると気づくこと、そして自分自身も大木になれるチャンスがあることを知ることができます。

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