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胎動が、お腹の中に人がいる事実が怖い。そんな私が出産、そして今

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思いがけず妊娠した子供だったからか、初めて我が子のエコー映像を見たとき、正直なんの感動も喜びもありませんでした。

ただただピコピコ動く小さな心臓を見て、へぇーすごいなーとまるで他人事のように感じていました。

まわりに妊娠を告げると、皆口をそろえて

「楽しみだね」

とか

「男の子と女の子どちらがいい?」

とか聞いてくるのですが、そのテンションにいまいちついていけませんでした。

楽しみとか、幸せとか、うれしいとか、そんな感情はまったくわかず、かといって悲しいわけでも不安なわけでもありません。

とにかく無関心。なんとも思わないのです。

一度だけ友達にお腹の子供に何の感情もわかないと相談したことがあります。

「まだお腹も出てないし、胎動感じるとだんだん実感がわくよ」

と教えてもらい、その時はそんなものかと思いあまり気にしていませんでした。

しかし、いざ胎動を感じられるようになってもなお、お腹の子供が愛おしいという感情とは無縁でした。

むしろ胎動を怖いと感じていました。

自分の体の中にもう一人人間が生きているという事実が、怖くて怖くて仕方なかったのです。

妊娠後期になり、病院から母親学級に参加するよう促され仕方なく参加しました。

その教室で同じくらいの週数の妊婦さんがお腹をなでながら幸せそうにしているのを見て、嫌悪感をおぼえました。

彼女たちのように、お腹の子供に話しかけるなんてできなかったし、生まれてくる子供のために洋服やグッズを買うこともありませんでした。

でも、私の意思とは関係なく、お腹はどんどん大きくなっていきます。

妊娠したということに、心がついていかなかったのだと思います。

夫は妊娠がわかったときから毎日お腹に話しかけるほど、子供が生まれることを楽しみにしていました。

とてもじゃないけれど、子供のことに興味がないなんて言えません。

段々と妊娠を喜べないことに罪悪感を感じるようになりました。

子供が生まれることを、夫も家族も友達も職場の人もみんな喜んで楽しみにしてくれているのに、どうして私はうれしくないんだろう。

私、どこかおかしいんじゃないか。

子供に対して愛おしさを感じられない自分が不甲斐なく、涙が出ることもありました。

結局、生まれてくるまでお腹の子供に対する感情はかわりませんでした。

そして、出産のとき。

自分の股の間から子供の顔が見えた瞬間、全身の血の気が引きました。

うわ、本当にお腹に人間がいたんだ、って。

頭の中がパニックになり、しばらくは子供を自分の腕に抱くことさえできませんでした。

現在、子供は6ヶ月。

そんな私でしたが、出産してから少しずつ子供に対する愛おしさというものがわいてきて、今ではかわいくてかわいくて仕方ありません。

今となっては、あれも一種のマタニティブルーだったのかなと思います。

著者:しましまこ

年齢:30代

子どもの年齢:6ヶ月

出産を機に夫の生まれ故郷である離島へ引越し。

信号もコンビニもないド田舎でなれない子育てと田舎暮らしに奮闘中。

曜日も時間も関係ない島で息子はのびのび成長中です。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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