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靖国爆破犯 自発的な再入国・逮捕で韓国政府厄介払いできた

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 11月23日に起きた、靖国神社南門付近の男子トイレ内で爆発音がした事件は、発生から約2週間経った12月9日朝、韓国籍の全昶漢(チョン・チャンハン)容疑者が建造物侵入容疑で逮捕された。犯行当日に韓国に戻っていた全容疑者だが、9日に日本に再入国した際に身柄を拘束された。

 不可解なのは、全容疑者が「なぜ捕まるのがわかっていて再入国したか」だ。全容疑者が当局にマークされている情報は、12月第1週にはマスコミにも伝わっており、その週末には日韓のメディアが全容疑者に取材をかけている。

 当初は韓国政府が身柄を日本側へ引き渡すかどうかが焦点になると見られていた。2012年、靖国神社に放火した中国人が韓国国内で逮捕された際、韓国は日本からの犯人引き渡し要求に応じなかった過去があるからだ。

 だがそれは杞憂に終わった。なぜか犯人自ら、捕まりに来たかのように再入国するという の事態が起きたからだ。全容疑者は再入国の理由を「事件についてはよくわからないが、日本のマスコミから取材を受けて、靖国神社のトイレを確かめに行った」と供述。まったく要領を得ない。

 元外務官僚で平和外交研究所代表の美根慶樹氏は、全容疑者の再入国には“裏”があった可能性を指摘する。

「靖国神社絡みの事件となれば、韓国では政治犯と見做されます。『日韓犯罪人引渡し条約』では政治犯の引き渡しは除外されている。2012年の中国人のケースでは、韓国は犯人を政治犯として処理したので、犯人は中国へ送還された。

 しかし今、韓国は経済問題や米国との関係もあって、日本政府に気を遣わざるをえない状況にある。もし今回も『引き渡し』の議論になっていたとすれば、日韓関係に支障が出ることは確実です。かといって簡単に引き渡せば、反日行為を英雄視する国内世論の猛反発を受ける。水面下で韓国当局と日本との間でやりとりがあったのではないかと推測します」

 韓国政治に詳しい札幌学院大学教授の清水敏行氏はこう語る。

「現在、朴槿恵政権は歴史教科書の国定化問題を巡って国民から厳しい批判に晒されています。教科書の中身が、父親である朴正熙元大統領時代を韓国が発展した時代と位置づけ、日本の植民地化も朝鮮半島の近代化に一定の役割を果たしたとするものだからです。

 この状況下で、反日のシンボルとして有名な靖国神社を攻撃した人物を簡単に引き渡すようなことをしていたとしたら、さらなる反発を受けていたことでしょう」
 
 いわば犯人が自発的に日本に再入国したことで、韓国政府は厄介払いできたといえるのだ。ではその見返りに全容疑者は何を得るのか? 謎は深まるばかりだ。

 今また、爆弾犯が伊藤博文を暗殺した安重根のように「愛国人士」として英雄視されている。逮捕された全容疑者が「靖国批判」を口にすれば、韓国国内で礼賛の声がますます盛り上がることは想像に難くない。エスカレートする「反日無罪」にはうんざりするばかりだ。

※週刊ポスト2015年12月25日号


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