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創価学会「勤行要典」新制定 シニア学会員離れていく懸念も

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 創価学会が変わりつつある。1991年に日蓮正宗から組織ごと破門されても教義面では日蓮正宗の枠内だった創価学会が、ようやく日蓮正宗の教義から脱却しようとしている。11月17日、創価学会の機関紙「聖教新聞」の1面トップに、「創価学会『勤行要典(ごんぎょうようてん)』を新たに制定 三代会長を永遠の師匠と仰ぐ」という見出しが躍った。
 
 さらに、記事には「万代の発展へ宗教的独自性を明確に」という小見出しもついていた。これが示すのは、日蓮正宗の教義からの脱却とも受け取れる。

 創価学会と日蓮正宗の決裂は20年以上も前のことになる。なぜいまになって、創価学会は“変革”を急ぎ始めたのだろうか。創価学会に詳しい宗教学者で現在著書『お経のひみつ』が話題の島田裕巳氏はこう解説する。

「結局、創価学会は池田大作氏の後継者になりうる人材を輩出できなかった。それに尽きます。現在87歳になる池田氏は健康不安が常にささやかれ、実際に公の場に姿を見せることもなくなった。そこで池田氏の存命の間に、懸案となってきた教義の問題などの整理を、急いで行なおうとしているのだと思います。

 実際、今回の勤行要典の話にしても、聖教新聞は『池田先生のご了承をいただいた上で』行なったと明確に書いています。池田氏がいなくなると、こういう教義の問題などについて決定を下せる“権威”がいなくなってしまう。

 しかし、だからと言って自ら『三代会長を永遠の師匠と仰ぐ』と宣言してしまうのは、『師匠と仰ぐ存在はここで“打ち止め”です』と言うに等しい。創価学会は今後、池田氏の権威に依存することで維持していくほかないということです」

「三代会長」とは、牧口常三郎・初代会長、戸田城聖・二代会長、そして池田大作・三代会長(現名誉会長)を指す。新たに制定された『勤行要典』では、その三人を創価学会は「永遠の師匠」と位置付け、会員たちにも毎日のお経の際に讃えるように指示したというのだ。

 今回の『勤行要典』制定にはもうひとつ懸念がある。創価学会の躍進時代を支えてきた高齢層の会員たちのなかには、いまも日蓮正宗の信徒組織だったころの記憶や思い入れが根強い。そうした世代の会員たちが脱日蓮正宗の動きに反発する可能性があるというのだ。

「高齢層の創価学会員にとって、日蓮正宗から離れていくことが、学会から離れるきっかけになってしまう恐れがあります。事実、高齢層の学会員のなかで近年、学会の方向性に疑問を持ち、“寝る”(学会の活動に積極的に参加しなくなること)人も出てきている。

 組織としてこれは非常に危ない。なぜならば、公明党の選挙支援などで最も熱心に活動するのは、この層だからです」(前出・島田氏)

 創価学会は高度成長期の1970年代初頭までの間に爆発的に会員を増やし、今の巨大組織の基盤を形成した。1960年に三代会長に就いた池田氏は、1970年までのわずか10年間に、公称75万世帯から約10倍の公称700万世帯超に信者数を激増させた。

「入会者たちの中心は、集団就職などで地方から都会に出てきて、地域に寄る辺のない若者たちでした。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』に、集団就職で出てきた女の子が出てくるでしょう。彼女のような女性たちが学会に入り連帯していったことで、最強と言われる学会婦人部が形成されたのです。

 学会の中心となっているのは、その世代の高齢層です。一方で若い世代の創価学会員というのは、『親が学会員だったからそのまま入会した』という人たちが多く、そこまで創価学会の活動に対する情熱がない。だからこそ、創価学会を支えてきた高齢層が、創価学会から離れつつあるという状況は深刻です。

 来年は参議院選挙もあるわけですが、公明党はこの状況でどこまでがんばれるのか、かなり不安なところがあるのではないかと私は見ています」(前出・島田氏)

※週刊ポスト2015年12月18日号


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