【全米年間アルバム・チャート】テイラー・スウィフト『1989』が堂々の1位、2年連続の年間TOP3入り

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【全米年間アルバム・チャート】テイラー・スウィフト『1989』が堂々の1位、2年連続の年間TOP3入り

 アルバムから5曲のTOP10ヒットを送り込んだ、テイラー・スウィフトの5thアルバム『1989』が、2015年の年間アルバム・チャート首位に輝いた。

 初動枚数120万枚を突破し、昨年(2014年)の年間アルバムチャート3位にランクインしたにもかかわらず、今年に入っても上位を独占し続け、2年連続の年間TOP3入りを果たした『1989』。アルバムからは、「シェイク・イット・オフ~きにしてなんかいられないっ!!」、「ブランク・スペース」、「バッド・ブラッド」がNo.1に輝き、「スタイル」、「ワイルデスト・ドリームス」もTOP10入りを果たしている。昨年の10月最終週にリリースされた本作だが、昨年の集計分だけでも200万枚を突破し、今年は通算300万枚近くを売り上げ、2位と100万枚近く差をつけての首位獲得となった。アメリカだけで540万枚、ワールドセールスは860万枚を突破している。

 2位のエド・シーランと、3位のサム・スミスは、両者とも2014年リリースのアルバムだが、今年初頭に開催された、第57回グラミー賞のノミネートを受け、春から大ヒットを記録したアルバムだ。エド・シーランの『x(マルティプライ)』は、累計170万枚を突破し、本国UKでは240万枚、カナダでもミリオンを達成している。アルバムからは「シンキング・アウト・ラウド」が、年間チャートで同2位をマークする大ヒットを記録、その他3曲のTOP10ヒットを輩出している。

 3位のサム・スミス『イン・ザ・ロンリー・アワー』は、アメリカ、UKともに累計枚数200万枚を突破し、ワールド・セールスは、テイラーに匹敵する850万枚を記録した。トータル・セールスはサムの方が勝っているが、今年に入ってからの売上枚数で集計すると、エド・シーランが若干数上回っていたという結果になる。昨年の年間チャートで10位にランクインした「ステイ・ウィズ・ミー ~そばにいてほしい」は、今年に入ってからもヒットを記録し、年間チャートでも58位に食い込んでいる。

 また、グラミー賞の効果を受けてヒットを記録したのは、首位のテイラー・スウィフトや、5位にランクインしている、メーガン・トレイナーのデビュー作『タイトル』もそうだろう。メーガンは、昨年大ヒットを記録したデビュー曲「オール・アバウト・ザット・ベース~わたしのぽちゃティブ宣言!」に続く2ndシングル「リップス・アー・ムーヴィン」がスマッシュ・ヒットを記録し、年間チャートでは22位にランクインした。

 そのグラミー一派を一掃するかの如く、2月のチャートを荒らしたドレイクのミックステープ・アルバム『イフ・ユア・リーディング・ディス・イッツ・トゥ・レイト』は、見事4位にランクイン。本作は正式なスタジオ・アルバムではないため、大々的なプロモーションもなく、急遽ダウンロードが開始された話題作だったが、配信のみで初動枚数50万枚を突破し、ドレイクのネームバリューの強さを物語った。時代は以降し、大手レコード会社の手を借りずとも、ストリーミングやSNSなどを通じて、大ヒットできる時代ということを、照明したアルバムでもある。

 ラップ界からは、ドレイクのほかに7位にニッキー・ミナージュの『ザ・ピンクプリント』、8位にJ・コールの3rdアルバム『2014フォレスト・ヒルズ・ドライヴ』がランクインを果たし、TOP10以下ではケンドリック・ラマーの『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』が16位、ミーク・ミルの『ドリームス・ワース・モア・ザン・マネー』が20位にランクインするなど、今年を彩ったラップ・アルバムが揃っている。年間シングル・チャート3位をマークした、ウィズ・カリファの「シー・ユー・アゲイン(feat. チャーリー・プース)」含む、『ワイルドスピード スカイミッション』のサントラ盤も、19位にランクインを果たし、シングル、アルバム共に、ラップ・タイトルが強かった1年だった結果を示した。

 6位にランクインした、マルーン5の『V』からは3曲のTOP10ヒットを生み出し、3rdシングル「シュガー」は年間シングルチャート5位にランクインを果たす大ヒットに至った。シングルチャートでのランクインは常連だが、アルバムチャートでの年間チャートTOP10入りは、意外にも初の快挙となる。

 このマルーン5の『V』含め、上位にランクインしているアーティストは、シングル曲のヒットにより、アルバムがヒットしたケースが多い。2015年度から、アルバムのチャート集計に、楽曲単体のダウンロード回数と、YouTubeなどの動画視聴回数のストリーミングポイントが加わり、そのアルバムに収録されている曲が10回ダウンロードされれば、アルバム1枚のセールスに、また、有料のオンデマンドによるアルバムの視聴回数が1500回に達すると、アルバム1枚のセールスとして換算されるようになった。

 首位のテイラー・スウィフトやマルーン5、エド・シーランなど、シングルヒットの多かったア―ティストにとっては、アルバム・チャートでも有利になった集計の編成といえる。13位のにランクインしている、ザ・ウィークエンドの『ビューティ・ビハインド・ザ・マッドネス』や、17位のアリアナ・グランデ『マイ・エブリシング』も、シングルヒットを多発したことが、アルバムの大ヒットに繋がったといえるだろう。

 2016年も、このストリーミング・ポイントや、シングル曲のヒットが、アルバム・チャートに大きく反映することは間違いなさそうだが、早速、2016年1週目のアルバム・チャートでは、ジャスティン・ビーバーの『パーパス』が65万枚の初動枚数を記録し、No.1デビューを果たした。その内訳として、単曲のダウンロード、ストリーミング・ポイントが、およそ12万枚分も含まれているというから驚きだ。再生回数4億回を突破した、先行シングル「ハロー」含む、初動枚数が歴代記録を更新した、アデルの3rdアルバム『25』が、最終的に何万枚まで到達し、年間首位を獲得するのか、また、本作を超える大ヒット・アルバムが登場するのか、注目したい。

Text: 本家 一成

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