ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

未来を紡ぐファッション。「エシカルファッション」って?

DATE:
  • ガジェット通信を≫

単なるおしゃれはもう古い。その洋服、どうやって出来たか知っていますか?巷に溢れるファッションの影にあるのは、劣悪な労働環境で働く人々や環境破壊の存在。そんなファッションの影の「あたりまえ」を覆す、次世代の「あたりまえ」ファッションとは。

可愛い洋服やアクセサリーの背後にある現実

綿栽培のために耕されている農地は世界の2.5%ですが、使用されている殺虫剤は世界の25%、除草剤は10%にあたります。それに加えて綿栽培に関わる人たちや健康も懸念されています。さらに綿を服に仕立て上げる各工程で、多くの化学物質が使われます。シリコン製ワックス、石油製の研磨剤、柔軟剤、重金属、抑制剤、アンモニアなど挙げたらきりがありません。その全てが大気に、土に、土壌に悪影響を与えかねないのです。ほかにも最近使われるようになったエラスタンやライクラといった弾力性のある素材は公害をもたらす可能性があったり、ナイロンも完全に自然に還るまでには30〜40年かかると言われていたり、洗濯や乾燥の段階で大量のCO2を排出していたりと、ファッションにまつわる環境・社会被害は予想をはるかに超えているのが現状です。

出典: ファッションの環境・社会負荷 | 服としあわせのシェア xChange

ファッションが生産されている現場では、農薬による環境破壊や健康被害をはじめ、劣悪な労働環境や低すぎる賃金が問題になっています。このような犠牲があるからこそ、低価格でおしゃれなファッションが日本で手に入るのです。犠牲の上に成り立つファッション、あなたはどう感じますか?

大きな問題のひとつは環境への負荷だ。ファストファッションは低価格ゆえに、買っては捨て、を繰り返すことに消費者の抵抗は小さい。企業側も、消費欲を刺激するために短いサイクルで新商品を展開する。その結果、クローゼットの中は不要な服で溢れる。 それらがリサイクルされ、貧しい人々に届けられるというのは幻想に過ぎないという。 ファストファッションに多いプラスチックを含む混紡はリサイクル不可能だし、もはや貧困層も低品質で流行遅れの服を手に取りたがらないからだ。そのため、実際には埋め立て廃棄処分になるものが多い。そもそも膨大な生産自体が環境に大きな負荷をかける。  

出典:格安ファストファッションの裏側を取材し問題点を考察した本│NEWSポストセブン

労働者の生活・労働環境だけでなく、消費者の姿勢も問われています。とはいっても、多くの消費者には服が生産されている背景について知る機会がありません。一人でも多くの、現実知っている人々が声を上げる必要があるのが現状です。

未来を守る「エシカル」なファッション

そんな過酷なファッション産業に一石を投じるのが、「エシカルファッション」です。倫理的に叶った方法で生産されるエシカルファッションとは、どのようなものなのでしょう。日本でエシカルファッションを牽引しているEFJさんによる、エシカルファッションの定義を紹介します。

1. FAIR LABOR 「FAIR LABOR」とは労働者の人権に関わるものを指し、大きく3つに分類されます。①FAIR TRADE・厳格な基準をクリアし、FAIR TRADEの認証を受けているもの②SUSTAINABLE TRADE・認証を受けていないが、独自の工房などを運営しているなどで公正な取引・労働者への保証を行っているもの・そのほか労働に関わる基準を順守し、労働者の権利を守っている取り組み②SUSTAINABLE LABOR・スタッフの働きやすさを重視して柔軟な労働条件を整え、労働者のQOL(生活の質)向上を目指す取り組み(ワーク・ライフバランス)

2. ORGANIC オーガニックとは有機栽培の意味。化学合成農薬や化学肥料に頼らず、有機肥料などにより土壌の持つ力を生かして栽培する農法のこと。化学農薬・化成肥料、そして環境ホルモンや遺伝子組み換え技術を避けて、自然のままの健全な食物連鎖を目指しています。

3. UPCYCLE&RECLAIM ①UPCYCLE:質の向上を伴って繊維ゴミ/廃棄衣類/古着を素材として再利用する取り組み②RECLAIM:デッドストックや端材を回収して活用する取り組み

4. SUSTAINABLE MATERIALS アパレルとは生地のことで、合成繊維は石油などの資源を使用し、染色の段階でも大量の水を使用します。しかし、環境負荷は当然でも「より環境にやさしい」工夫のなされた生地のことを「SUSTAINABLE FABRIC」としてエシカルと捉えています。 ①天然繊維の使用②植物由来の化学繊維の使用(精製セルロース繊維、PLA繊維)③再生PET繊維⑤環境負荷の低い加工が施された繊維

5. CRAFTSMANSHIP 昔から受け継がれてきた文化・技術を未来に伝え残すような取り組みを「CRAFTSMANSHIP」としました。 ①伝統技術・工芸を取り入れた服づくり②ヴィンテージ素材を取り入れた服づくり③非常に高度な熟練の技術をもって作られたもの(機械/手づくりいかんにかかわらず)

6. LOCAL MADE 「MADE IN JAPAN」「MADE IN USA」「MADE IN U.K.」――その土地の技術と産業を生かし、活性化を目指して作ることを「LOCAL MADE」として分類。 ①<先進国により多く見られるケース>空洞化した産業を回復・自国の産業を再興させる取り組み②<途上国により多く見られるケース>地域の文化を生かしながら雇用を創出し、経済的なエンパワメントも目指す取り組みその土地の産業を盛り上げることで雇用を創出し、経済的にも成長することを目指した取り組みが「LOCAL MADE」だと分類します。

7. CARE ANIMALS 動物に配慮した製造を行っていることを「CARE ANIMALS」として分類。 ①ヴィーガンブランドとして、動物性素材を一切使用しない②トレーサビリティを確保し、適切な環境で飼育された動物の素材のみを使用する③トレーサビリティを確保し、食肉産業の副産物として生じた皮革部分を使用する

8. WASTE-LESS 衣料品ライフサイクル各段階でのゴミ・無駄を削減する取り組みを「WASTE LESS」としました。 ①カーボンフットプリントを削減する取り組み③3Dプリンティング技術④ゼロ・ウェイスト・デザイン④着用時のCO2を削減する取り組み

9. SOCIAL PROJECTS 本業の利益、ビジネスモデルを生かして課題を解決するさまざまなプログラムを実施することを「SOCIAL PROJECT」と分類。 ①NPO/NGOへの寄付(一時的なキャンペーンは含みません)②地域の団体または自社で職業訓練機会を生み、就職の支援を行う③地域の団体へ自社の仕事を依頼する④物資支援

9つのカテゴリーのいずれかに当てはまっているものを、エシカルファッションとして定義しています。例えば、1.FAIR LABORに当てはまるファッションブランドには、生産者の人権が十分に認められるような生産現場を確保しているブランド等が当てはまります。一見、厳しいような9つのカテゴリー。でも、このカテゴリーにある内容が実践されていないファッションはどうでしょうか。ブラック企業以上に労働者を酷使し、農薬を撒き散らしてコットンを栽培し、ゴミを大量に出しながら縫製をして、染料で川はカラフルに、繊維や革を取るためにたくさんの動物の命が奪われる…残念ながら、いま世に出回っているファッションの多くはこのような犠牲を伴っています。一人ひとりが意識して、一年に一着でもエシカルファッションの洋服を買えば、この運動は広がり、やがてあたりまえとなるはずです。

エシカルファッションに取り組む企業

画像出典:http://www.ethicalfashionjapan.com/wp/wp-content/uploads/2015/03/efj_store_logo.png

ETHICAL FASHION JAPAN – | Ethical Fashion PR

http://www.ethicalfashionjapan.com/

日本のエシカルファッションを牽引する団体です。エシカルファッションはナチュラル系の少々もったりしたデザインの服が多いのですが、EFJの洋服はスタイリッシュなデザインが豊富!これからますますの活躍が期待される団体です。

画像出典:http://www.peopletree.co.jp/slideshow/b_69.jpg

People Tree

http://www.peopletree.co.jp/

オーガニックコットンのウェアを中心としたエシカルファッションとフェアトレード商品専門のピープル・ツリーの通販サイト。フェアトレードによってつくられたオーガニックコットンをはじめとした手仕事の商品を通じて、途上国の自立を支援しています。

エシカルファッションのさきがけかつ老舗。エシカルファッションらしいナチュラルな雰囲気の洋服が多かったのですが、近年はデザイナーとコラボしたスタイリッシュなデザインの洋服が増えてきています。フェアトレードのチョコレートやドライマンゴーも有名。洋服ほど高くないので、気軽に社会貢献ができます。

HASUNA|ジュエリーブランド|結婚指輪,婚約指輪,特別なお祝いや記念日、自身のご褒美に

http://www.hasuna.co.jp/

日本発のジュエリーブランドHASUNAは、世界中で出合った個性あふれる素材の魅力を活かし、知性と感性が融合するジュエリーを制作しています。東京・表参道、伊勢丹新宿店、名古屋、オンラインショップでブライダルリング(結婚指輪・婚約指輪)、ファッションジュエリーを取り扱っています。

リサイクルされた金属で作る、サステイナブルなジュエリーを制作しています。代表の白木さんは日本を代表する企業家。様々なプロジェクトに関わっています。

さいごに

エシカルファッションは、環境を破壊しない、労働者を守る、ファッションのあるべき姿。何も特別なことはないはずです。でも、現実はまだまだ、ファッションの背後で苦しんでいる命があります。一人でも多くの人に、エシカルファッションが広がるといいですね。

カテゴリー : 生活・趣味 タグ :
ギャザリー(Gathery)の記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。