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【検証】「好き! 好き! 愛してるぅぅぅ!!」。 恋愛系格ゲーは”愛の言葉”で戦うべし!

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巷ではよく「”好き”は言葉にしないと相手に伝わらない」といわれているが、それがなかなか実践できない。というか「好き」なんて言葉、気恥ずかしくて久しく発していない。しかし、言い慣れてないと、いざというとき口をついて出てこないのではないか? 「好き」と言うべきタイミングなのに、ブランクのせいでモゴモゴしていたくない。これは、どうしたものか……。

というわけで、このゲームで予行練習してみようと思う。面白法人カヤックに所属するクリエイター、佐藤ねじさんが制作した「スッキリファイターII」は、いわゆるアクションゲームである。

さてスタート画面。ご覧のとおり、格闘ゲームである。ちなみに「Ⅰ」はない。

最大の特徴は操作方法だ。通常のゲームでは不可欠なはずのコントローラーが、「スッキリファイターII」に関しては不要。それらは使わず、自身の「声」を駆使する。

パソコンの前に座り、STARTをクリックして、指定のワードを発声。その声に応じ、キャラクターは体を動かすのだ。具体的なコマンド(発声ワード)は、以下のとおり。

進む……「スキ」

戻る……「ニゲロ」

ガード……「ツヨク」

パンチ……「アイシテル」

キック……「アイタイ」

必殺技……「クロレッツ」

なぜ、こんな愛溢れるワードばかりが設定されているのか……。その意図を、制作者本人に直撃してみた。

「パソコンの前で、普段言えないような言葉を叫んでいただきたかったんです。こんな設定をしたらゲームをやってくれない人も出てくるとは思ったのですが、プレイさえしていただければ、プレイヤーにとっての新体験になるだろうと。『どうせなら新体験を提供したい!』と考え、このような言葉をチョイスしました」(面白法人カヤック・佐藤ねじさん)

ちなみに、必殺技を繰り出す際のワードが「クロレッツ」になっているのは、このゲームがクロレッツのプロモーション用に開発されたからである。

兎にも角にも、私も久しぶりに「スキ」と言ってみたいので、早速このゲームに挑戦してみようと思う。ゲーム中に用意されている”戦う舞台”は、深夜のオフィス。主人公は、深夜まで社畜として働くサラリーマンである。

第1ステージの敵が現れた。「ベッド代わりのイス」だ。

当然、相手に近づかないと戦いは始まらない。孤独な自室で「スキ、スキ、スキ、スキ!」と連呼すると、主人公はイスの方へジリジリと歩み寄っていく。射程距離に入ったら、パンチとキックを繰り出すべく「アイシテル、アイタイ、アイシテル、アイシテル」と大声で叫ぶ。隣人に、自分の甘い叫びが漏れ伝わっていないか不安だ。

この照れくささに耐えつつ第1ステージをクリアしたら、すぐさま第2ステージの敵が現れた。続いての相手は「モヤモヤしたもの」だ。

確かに深夜帯に仕事で煮詰まると、モヤモヤするけど!

結果、「モヤモヤしたもの」にも快勝し、第3ステージに到達。次の相手は、なんと「バグ」である。

この第3ステージ、唐突に難易度がアップする印象がある。急激に、相手が手強くなるのだ。実際、私も数えきれないほどの「バグ」に敗退してしまった。

「難易度はゲームのステージバランスで調整しましたが、結果的に現実と比例することになりました」(佐藤さん)

最終的には、10回以上の熱戦を経て、第3ステージをクリアすることに成功!

さあ、第4ステージは遂にラスボスである。「クライアントの意向」の登場だ。

それにしても、この対戦相手の人選がなんとも絶妙である。ゲーム開発者が実際の深夜作業時に味わった苦渋の思いが、これらのチョイスに反映されているのか?

「対戦相手は、ユーザーを狙った”あるある”にしました。ゲームのキャラでそういう設定のものはあまりなさそうでしたので。僕自身は、クライアントの意向をしっかり受けて対応する方です(笑)」(佐藤さん)

では、行こう。いざ、「クライアントの意向」と対決!

しかし、この相手が手強い……。

携帯電話で話していたり、企画書を放ってきたりしながら、主人公をとことん苦しめてくる。

しかも、クライアントは唐突に、「突然の仕様変更」なる必殺技を繰り出してきた。この一撃は強烈だ。こうなると、今まで叫んでいた操作コマンドは一変してしまう。

画面下部のコマンド欄を、まじまじとご覧いただきたい。

進む……「ナマムギ」

戻る……「ナマゴメ」

ガード……「ナマタマゴ」

パンチ……「トウキョウトッキョ」

キック……「キョカキョク」

必殺技……「クロレッツ」

なにこれ 当初の与件と全然違うじゃないの! もうワガママなんだから……! 湧き出た怒りをパワーに換え、ラスボス「クライアントの意向」を撃破できた!

主人公はすべての敵を倒したので、これでゲームクリアである。

「スッキリファイターIIは、やはり深夜のオフィスでやっていただきたいゲームです(笑)。リアルなイメージとしては、会社の休み時間に、誰かが突然『スキ!』と叫び始める姿が面白いでしょう。ウェブなのに”モニターの外側”をデザインすることを狙いました」(佐藤さん)

“モニターの外側”とは、プレイをしている人の行動だ。まぁ確かに「スキ」「アイタイ」「アイシテル」を連呼したことで隣室の住人と顔を合わせるのが気まずくなったし、一方で、”愛の言葉”を口にしやすくなった気もする。会社にお勤めの方なら、ぜひ社内でゲームに励んでみてはいかがだろうか。あり得ない空間で、あり得ない言葉を高らかに発することで、これ意外とスッキリ効果ありますよ。

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