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プレーのすべてを数値化! メジャーリーグで導入が進む最新データ分析システム事情

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野球の世界に「データ分析」という視点が入って久しい。今やプロのみならず、高校野球の世界でも甲子園出場校ともなれば相手チームの映像入手は当然。細やかな分析をして大会に臨んでいる。

そんな「データ分析」の世界で最先端を走るのは、やはり野球界の最高峰、メジャーリーグ。近年も統計学的見地からデータを分析、客観的な数値をもとに常識を覆す選手評価基準を生み出した「セイバーメトリクス」が話題になった。セイバーメトリクスを用いた選手獲得と起用で世界を驚かせ、その詳細と経緯をまとめた『マネー・ボール』はベストセラーとなり、ブラッド・ピット主演で映画にもなったほどである。現在、セイバーメトリクスは、日本でも普及は進んでおり、選手評価の新たな基準のひとつとして定着しつつある。

だが、メジャーリーグはそんな日本を尻目に、さらに新たなデータ分析の世界に入っている。例えば守備データを算出するUZR(アルティメット・ゾーン・レイティング)。これはフィールドを176分割し、どこにどのような打球が飛んで、誰が捕球したかを見る数値。守備率など単純だった従来の守備データと比較し、守備範囲や外野手の走者の進塁抑止力なども分析要素になるなど、もう一歩踏み込んだ分析を可能にした。


出典:Sportsvision®


出典:Sportsvision®

さらに今、データ分析に対する究極のアプローチも進んでいる。それはメジャーリーグで導入され始めているFIELD f/x(フィールド・エフ・エックス)。球場に数カ所、高性能カメラを設置し、選手のプレーを撮影、数値測定するシステムだ。

たとえば選手の打球に対する反応の時間、捕球までの動きの軌道、捕球してから送球するまでの時間および送球のスピードなど、すべて具体的な数字として算出する。捕球に関するデータであれば、仮に同じ位置で同じようなフライを捕球した選手2人がいても、落下地点までの移動距離、スピードの違いまでも出るため、どちらがより優れているかを判別できるのだ。既にメジャーリーグでは投手の投球速度や投球軌道を追跡するPICH f/xが全球団のホーム球場に設置されているが、それの守備・走塁版のようなシステムである。ここまでくるとデータ分析というよりもトラッキングの世界。将来は超小型の測定機器を選手やユニホームに装着……なんてことも出てくるかもしれない。

その是非はともあれ、FIELD f/xの本格導入が進めば、これまで選手評価で主観に頼りがちだった部分にメスが入ったり、過小評価されていた選手にスポットライトが当たることにもつながる。特に守備は、普通の選手なら追いつけないような打球に追いついてしまうが故にミスが記録されてしまうことがあるなど評価が難しい分野。FIELD f/xの普及はその点でも興味深い。最新の技術が生む新たな戦術や選手起用。かつてセイバーメトリクスの出現は、東北楽天ゴールデンイーグルスでもプレーしたケビン・ユーキリスというスター選手の発掘につながった。そんな「FIELD f/xの申し子」のような選手が再び現れるのか注目したい。

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