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「私と親は、別々の大人なんだ」と改めて実感。 17年ぶりの本格的な里帰りに、お互い気遣い疲れ

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東北出身の私と夫、両実家は東京から500km超の彼方……35歳で初めての妊娠が発覚したときは、当然ながら双方の両親から「一人で大丈夫?」「産後はとにかく人手があった方がいいぞ」「一人で全部やるのは大変よ」「車もあった方が」と心配の嵐。

何度かの検討を経て、両親が定年退職済みで時間が自由になるから、ということで私の実家で里帰り出産をすることにしました。

しかし、大学入学と同時に上京してきた私にとっては、なんと17年ぶりの本格的な里帰り。もちろん年に1、2度は帰っていたものの、3ヶ月という長い期間、故郷に帰ることの意味を、その時はわかっていなかったのです……

8ヶ月も終わり頃、怒涛のように仕事と引っ越しを片付けて、いざ、里帰りしてみると、家事はすべて父と母がやってくれ、車に酔うので遠出もできず、田舎のことで気軽な来客や遊びの誘いがあるわけでもなく、びっくりするほどやることのない日々。

夏のことでひたすらに暑く、何もしなくてもいい時間が延々と続きます。

忙しいほどテンションが上がるタイプの私にとっては、このなーんにもしない時間が予想以上のストレスに。

しかも、子どもが独立してもう10年以上の実家には「子ども部屋」などすでに存在せず、物置き状態の空き部屋を整備して仮住まいすることに。

当然のことながら布団も家具も食器も「私のもの」はなく、客用のもので間に合わせる生活。

これが、心身が敏感になっている妊婦にとっては意外とつらく、自分で整えた自宅に帰りたいと何度思ったことか……慣れない布団で寝るということが長く続くとこんなにつらいとは、想定外でした。

悠々自適の定年生活で、好きな時にそれぞれ出かけ、好きなテレビを見てのんびり過ごす夜型生活にシフトしている両親と、大きなおなかを抱えてひまさえあれば寝ていたい私とでは生活リズムもずれがち。

ごはん時以外はなるべく自室で過ごすようにしていましたが、それはそれで心配なようで「少しくらい運動しないと」「体調悪いの?」と思わぬときに声をかけられ、お互いに気を遣いあって疲れるというオチに。

産後は産後で、娘にはまかせておけない母と、なるべく自分でなんでもやらなければ!と意気込む娘、そして母娘の板挟みで調整役の父とで再び気の遣い合い。

産褥期で気が立っている私は、両親の「赤ちゃんなかなか寝ないね」「ちょっと暑いんじゃない?」なんていうちょっとした言葉も素直に聞けず、「それの何が悪いの!?」とケンカ腰で応じてびっくりさせたことも多々ありました。

それでもなんとか3人で過ごした3ヶ月でしたが、産後の1ヶ月健診が想定より遅れ、帰京予定を1週間延ばさなければならないことが分かったとき、私の中で「あ、無理」という声が……結局、1ヶ月健診を東京の病院で受けられるように調整し、予定を早めて帰京することにしたのでした。

久々すぎる長期の帰郷で実感したのは、「親と自分は、もう、違う生活をしている別々の大人なんだな」ということ。

私には私の、親には親の生活のリズムやルールがあって、変えようと思っても変えられないことも。

長女で優等生だった私は、いまだに「いい子と思われたい」という気持ちが強く、親に合わせようとして変なところを我慢し、変なところで見栄を張ってすっかり疲れてしまったのです。

里帰りには親の助力が得られるという大きなメリットがありますが、本来の自分の生活圏から離れるという側面も。

3ヶ月は決して短い時間ではありません。

しかも、心身共に変化の大きい産前産後。

好きな時に外出できるか?気晴らしできる場所はあるか?苦しいときやつらいときに素直に親を頼れるか?などなど、環境や、両親との関係性を考えて、「自分が気持ちよく過ごせるか」という視点で里帰り出産を検討してみてもいいのではないでしょうか。

著者:中村ユイ

年齢:36歳

子どもの年齢:0歳1ヶ月

アパレルメーカーを中心にマーケティング・プロモーションの制作担当としてキャリアを積み、WEBメディアの編集者に。仕事一筋の人生を送る予定が奇跡的に結婚。順調に妊娠までしてしまい、当初の予定とのあまりの違いにおろおろする日々。妊娠してみて、一番辛かったのはお酒が飲めないこと…。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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