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築64年の空き家をシェアハウスに! その活用方法とは?

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『SUUMOジャーナル』では、「つくるところから参加できるシェアハウス『ユウトヴィレッジ』」、「入居者が自らリノベーションに参加したシェアハウスがオープン」と、新しいカタチのシェアハウス・「ユウトヴィレッジ南長崎」(東京・豊島区)の事例を紹介してきた。
これらを手がけた株式会社ユウトが、東京・品川区に新たなシェアハウスをオープンさせたという。果たして、どんな物件なのか。さっそく見学に行ってみよう。2年以上空き家のここを何とかできないか

JR品川駅から京急本線に乗り換えて2駅目の新馬場駅。旧東海道の品川宿があったエリアだ。

【画像1】きれいに整備された北馬場参道通り(写真撮影:石原たきび)

新馬場駅から徒歩2分の場所に「ユウトヴィレッジ品川宿」がある。東京十社として知られる品川神社にもほど近い。

【画像2】右奥が入り口(写真提供:ユウト)

この築64年の古家がシェアハウスとして再生したのだ。話を聞かせてくれたのは株式会社ユウトの代表取締役社長、長田昌之さん(35歳)とオーナーの小宮さん(74歳)。

【画像3】趣味はギター演奏という長田さん(写真左)74歳の小宮一巳さん(写真右)(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)

「僕はユウトの他にマンション管理支援事業を行う会社にも所属しているんですが、この家のオーナーである小宮さんの奥さんが、僕たちが運営させていただいているマンション内のカフェでバイトしているんですよ。きっかけは、南長崎の話を聞いた彼女から2年以上空き家のここを何とかできないかという相談を受けたこと」

もともとは小宮さんの母親が住んでいたが、亡くなって以来、空き家状態だった。

「小宮さんの奥さんはいま70近いご高齢の方なんですが、すごくかわいらしい方で。バイトの面接も履歴書が破れているので聞いてみたら、履歴書というものを初めて書いたみたいで、失敗したのをセロテープでくっつけたと言っていました(笑)」

破れた履歴書が生んだ出会いである。

「まず、僕を含めた3人で3カ月住んでみました。実際に住んでみて、小宮さんやご近所の方々と触れ合っているうちに江戸時代の宿場というイメージが固まってきて、これならいけるかなと」

入居者の募集を始めるとともに、大規模なリノベーション工事が始まった。

シェアハウスにすることや、リノベーション工事の計画については小宮さん夫婦に相談しながら進めていったとのこと。

「若い人が住んでにぎやかになるのはいいことだ」と、小宮さん夫婦もシェアハウスというプランに大賛成だった。

また今回の物件は長田さん自身がオーナーだった南長崎の事例と異なり、株式会社ユウトがオーナーから一棟を借り上げ、それをシェアハウスとして入居者に貸すという仕組みをとっている。

【画像4】もともとは「ザ・民家」というリビングキッチン(写真左)工事の様子(写真右)(写真提供:ユウト)

大工さん主導のもと、NPO法人の旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会スタッフ、近所の住民、そして入居予定者なども工事を手伝った。

「ターミナル駅に近い昔ながらの下町でまちおこしにも力を入れているなど、南長崎のケースと似ている点がたくさんあったんです」

物件オーナーの小宮さんは、この近隣で名高い中華中心の料理店を営んでいた。いまは、開発が進む品川駅周辺とはまた異なる、北品川エリアの古い街並みを残すための活動をしている。

「この辺を歩くと知り合いばかりに会うという、8代続く品川っ子。そんな彼の思いを汲んで新しい形のコミュニティがつくれればという思いもありました」ゲストルームの壁紙は江戸時代の東海道風景

かくして今年4月、シェアハウス「ユウトヴィレッジ品川宿」が完成した。1、2階を合わせて計5部屋で家賃は6万2000円〜7万円(共益費1万2000円)。

現在の入居者は25歳から33歳の男女で、1部屋はゲストルームとして宿泊(民泊)を受け入れることにした。

【画像5】入居者男性の好みにより、モノトーンでまとめられた一室(写真左)海辺のリゾートをイメージした女性入居者の部屋(写真右)(写真提供:ユウト)

【画像6】外国人が泊まることも想定して、ゲストルームの壁紙は江戸時代の東海道風景(写真提供:ユウト)「村」をつくりたいという想い

人気(ひとけ)のなかった空き家は活気を取り戻した。この状況をオーナーはどう感じているのだろうか。オーナーの小宮さんにも話を聞いてみた。

「昔もいまでいうシェアハウスだった時期もあって、俺も大勢で住んでいたんだよ。みんなで仕事がんばって、みんなで同じ釜の飯食って、楽しかったんだよね。あのころのにぎやかさが復活していいんじゃない?」

【画像7】リビングでは入居者と小宮さん夫婦との宴会が開かれることも(写真提供:ユウト)

小宮家は代々、街のお祭りの世話役を担っている。小宮さんはシェアハウスの入居者を祭りやイベントにも連れ出す。

「この辺の連中は言葉は乱暴だけど、根はみんないい奴。世話焼きが多いんだよ」

【画像8】シェアハウスでは街のイベントのワークショップがひらかれることも。活け花ワークショップの様子(写真提供:ユウト)

長田さんは言う。

「シェアハウスの運営は難しいところもいろいろありますが、細かいルールは状況に応じて徐々につくっていけばいいと思います」

南長崎といい、品川宿といい、長田さんの目指すシェアハウスのゴールはどこにあるのだろうか。そう聞くと、こんな答えが返ってきた。

「大学は環境資源工学科で人間の豊かな暮らしを工学的に考える研究をしていましたが、昔から『村』、つまり、みんなが豊かに暮らせる共同体をつくりたいという想いがありました。社名の『ユウト』には人と人を結ぶという<結人>、理想郷<ユートピア>という意味もこめています。それでシェアハウス名は『ユウトヴィレッジ』に。シェアハウスの運営は、このテーマに対して大きなヒントを与えてくれます」

【画像9】シェアハウスの近所にある現役の井戸。地域住民が共同で管理している。こういった昔の街並みが残っている点も魅力のひとつだ(写真撮影:石原たきび)

家賃だけ見れば、マンションでの一人暮らしとほぼ同じだ。共同生活ならではの不満もあるだろう。しかし、人、そして街との交流という特典を考えると、シェアハウスという選択肢も非常に魅力的に思えてくる。

長田さんの取り組みは、空き家活用としての新しいスキームの事例になりそうだ。
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/12/04/101866/

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