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植松晃士氏「50才からが本当に人生なら、30才までは前世」

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 ファッションプロデューサーの植松晃士さんが、世の中の“オバさん”たちが美しく健康に生きていけるよう、様々なアドバイスを送ります。今回は、植松さん流の“前世”についてのお話です。

 * * *
 皆さま、ご機嫌よう。早いもので今年も師走となりました。毎年のように「お坊さまも先生も走る季節よ」と申し上げてきましたが、本当に日本語というのはよくできた言葉ですね。私など、「師走」と聞いただけで、気ぜわしさに小走りになります。

 クリスマスが近づくと、街を彩るイルミネーションが一斉に賑やかになるのも毎年のこと。このまばゆい光を、「わぁ~、きれい」と無邪気に喜ぶか、あるいは「賑やかすぎ」と眉をひそめるか。心の若さを測る基準になると私は思うのですが、いかがかしら。

 とはいえ、前世を思い起こせば…“前世”というのは、誕生から30才までを指す、私が考えた“新語”です。

 ここのところ、たびたび上越新幹線に乗る機会があったのですが、車窓から見る景色がとてものどかで、しかも長いトンネルが多いんです。ぱ~っと開けていた景色がトンネルで瞬時に暗闇に変わり、そしてまた視界が開ける。これを数度、繰り返すうち、ふいに、「30才以前を、“前世”と呼んで、ひと区切りつけたらどうか」という発想がひらめいたんです。

 50才から本当の人生が始まるという考え方を聞いたことがありますが、それなら30才までを“前世”として、それ以降が“現世”とすると、今の私は10代後半で、もうすぐ成人になります。

 都合の悪いことはすべて、「私、前世の記憶があまりないの」と言って済ませられるので便利でもあります。

 で、この季節、忘れようにも忘れられない“前世”の記憶は、なんといってもバブル華やかなりし頃のこと。あのイルミネーションが点灯されるやいなや、わけもなく気持ちが上がって浮き足立ったものでした。

 それが今では、「あ~あ、またこの季節がやってきたわ」と、さほどの感慨もなく、年の瀬を感じるのみ。私の周囲には、「ハロウィーンが鬱陶しくてしかたない」というかたがいます。私自身も、胸の奥深~い部分では、同感する気持ちがチラリとあります。

 ですが、そうするともうひとりの自分が「新たな風物を否定したら、現世を楽しく生きていけませんっ」と発破をかけてくるんです。

 その声に押されて、ハロウィーンの日はかなり頑張って黒いぴっちぴちのスーツに、白いウィッグをつけてみたりするわけです。黒無地のネクタイに、5本指がにょっきり見えるDAIGOさん張りのグローブも用意して。

「誰それ?」ですって? シャネルのデザイナーでファッション界の大御所、カール・ラガーフェルドさまですよ。

 こうして時代の波に上手に揺られながら、やわらかな気持ちで現世を楽しむことが、心の若さを保つ秘訣ではないかしら。この話をすると、「じゃ、来世はどうなるの?」と聞かれます。そんな先のことはわからないのですが、イメージは楽隠居ですね。

 現役を引退して心穏やかな毎日を送っているかたは、“来世”に近い気分で過ごしているのではないかしら。

 そこが極楽浄土なのか地獄の1丁目かは、それぞれの感じ方だとは思いますが。

 とにかく一度、“30才前の出来事は前世の話”と区切ってみてください。古い友達とと会って“前世”の話ばかりしている、なんてことに気づくかもしれませんよ。

 私たちの“現世”は、まだまだ続きます。未来に向かって楽しみを見つけながら生きていきたいですね。

 オバさん、万歳!

※女性セブン2015年12月17日号


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