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悲しいけれど、いつかは必ずくる時のために~マガジンハウス担当者の今推し本『クロワッサン特別編集 親を看取る』

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こんにちは。マガジンハウスです。孝行のしたい時分に親はなし。……いや、親孝行なんて偉そうなことは言えませんが、せめて悔いなく最期の別れをしたいと思う今日この頃です。
今回おすすめしたいのは、まず『親を看取る』というタイトルにドキッとさせられますが、発売1か月足らずで既に重版、読者からの反響も続々届いていて、こういったジャンルの本にしては異例の売れ行きを見せている注目本。年々ニーズが増えていきそうな“親の老後・死”というテーマと、がっぷり四つで組んだ担当H氏にお話を聞きました。

―――HさんHさん! この本、文字通りガチで実用に役立つ実用書でした。表紙にもありますが、「もしもの時のために、知っておきたいこと」、ほんとこの通りの本ですね。

H 「ありがとうございます。この本で取材させていただいた、高齢者の医療や介護に携わる方々は、とってもレベルの高いところにいらっしゃるんですね。それこそ、その分野の最先端で新しいことに取り組んでらっしゃる。一方で、私を筆頭とする制作スタッフは、いわゆる素人の集まり(笑)。だから、介護や認知症、在宅医療などの取材で出てくる専門用語を、我々でもわかるように翻訳する必要もあったんです」

―――翻訳ですか(笑)。だから、内容の割には読みやすいんですね。あと、全体的にデザインも明るくて、表紙と巻頭対談のお二人も可愛くて、読んでて元気が出ました。

H 「97歳の吉沢久子さんと84歳の谷川俊太郎さんの対談ですね。お二人とも本当にお元気で、100歳時代の象徴的なページになりました。デザインについてもそうですが、親の死という重いテーマとはいえ、暗く重苦しい雰囲気にはしたくなかったんです。誰にでも起こりうることだし、みんなが知っておくべきことだと思ったので」

―――知っておくべきこと……そうですよね。本書の序文に「もっと知っていたら、あんなに苦しませずにすんだのに。泣かせなくてもよかったのに。」とあって、色々思い出して胸が苦しくなりました……。


しりあがり寿さんのイラストも、ゆるくて優しくて、泣けてきます。こんな風にお別れできたらいいなあ……。

H 「そうなんです。とにかく、介護や認知症に関しては、知っていると知らないとでは大違いなんです。要介護になる原因のトップが、認知症や脳卒中ではなく、<生活不活発病>だなんて、私も知りませんでしたし」

―――動かなすぎることで体の機能が落ちてしまい罹ってしまう病気ですね。親が老いてくると、何でもやってあげようと思うけど、それがすべていいとは限らないんですね……。

H 「生活不活発病については、知らない医師も多いぐらいなんですよ。年だから衰えているなんてとらえて、どんどん悪化してしまう。そういう、知っていれば防げたのに……というケースを少しでも減らしたいです」

―――介護サービスや施設も、こんなにバリエーションがあるんだと勉強になりました。


「介護施設に関しては、ずらっと紹介するだけの記事がほとんどですよね。でも、ただ色々見せられても選べないので、本書では、ずばり‶おすすめ”マークを付けました。取材した我々が、実際にいいと思ったから」(H)

H 「それだって、いろんな選択肢があるということや、それぞれが具体的にどう違うのか、知らない人が多いですよね。いざ親や自分が必要とした時に、なりゆきで選んで後悔する人もいます。それは、いわゆる“最期”に関してもそう」

―――この本でもページをとって特集している、在宅医療ですね。「病院で死ぬのは当たり前ではない」という見出しに、目から鱗が落ちる思いでした。

H 「本書では、90歳の奥様をご自宅で介護されている92歳の男性にもお話を伺いました。在宅医の訪問医療に同行する形で取材させていただきましたが、奥様のお顔がとってもきれいで驚いたんです。入院させて点滴や胃ろうで栄養を与え、できるだけ長く生きてもらうという考え方もありますが、苦痛を取り除きながら自然に死の訪れを待つ在宅医療も、一つのあり方かと」

―――本書にはご夫婦の2ショットもありますが、実に穏やかな表情をされてますね。もちろんご苦労も多いとは思いますが、自宅で看取られるというのは安心感がありそうです。

H 「在宅医療をするといっても、往診してくれる医師や診療施設がどの地域にでもあるわけじゃありませんし、入念なリサーチも必要です。ただ、選択肢として知っておいていただきたいと思い、力の入ったページになりました(笑)」

―――ここにある、「亡くなるまでの過程」を図解にしたものも興味深かったです。なんらかの病気があって、一人で行動できなくなって、歩けなくなって、立てなくなって、起き上がれなくなって、食べられなくなって……。

H 「そう、きっかけになる病気がどんなものでも、弱って亡くなるまでの過程はみんな同じなんですよね。それを知って、その都度、どんなことができるか、どんな選択肢があるのかを把握しておけば、おたおたしなくて済みます」


事故や急死などを除き、高齢者がなくなるまでは同じ過程をたどる。各段階で何ができるのか、予防できることや準備できることを知っておきたい。

―――訪問医療もそうですし、認知症デイサービスの紹介など、どの介護施設も現場の写真が多いのがよかったです。文字で読むだけだと、雰囲気がわかりにくい時があるので。

H 「スナップ写真をいっぱい載せたのは、私自身が見たいと思ったからなんですよね。この認知症の施設のページにある写真、とっても楽しそうでしょう。言葉だけで聞くと、かわいそうなんじゃないかとか思う人もいるかもしれないけれど、いい施設を選べば、こんなに明るく楽しく過ごせるんだって」

―――親の死というと、どうしてもセンチメンタルになって、具体的なことを先延ばしにしてしまいがちで……。

H 「そりゃあそうですよ~」

―――でも、この本を読んだら、避けられないことだからこそ早く勉強しておきたいと思うようになりました!

H 「うん、この本がそういった人たちの突破口になってほしいですね。怖いから考えられないという気持ちはすごくわかるけど、そんなこと言ってたら遅いんですよ。また、親だけじゃなく、自分がどう死にたいかを子に伝えるためにも、読んでほしいですね。何度も言いますが、知ってて損はないんですから」

今週の推し本

『クロワッサン特別編集 親を看取る』 マガジンハウス 編
ページ数:100頁
ISBN:9784838750436
定価:850円 (税込)
発売:2015.11.05
ジャンル:実用
[http://magazineworld.jp/books/paper/5043/]

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