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【MA11授賞式】WebとマッシュアップするIoT技術・CodeIQ賞は勉強会探しを便利にするアプリ

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没入感がハンパない。「参式電子弓」の恐るべき完成度

2015年8月から10月にかけて全国で開かれたハッカソンイベントなどの予選には、約500名のエンジニアが参加。その集大成であるファイナルステージが、11月18日渋谷ヒカリエホールで開催され、12組による決勝プレゼンテーションと、テーマ賞、パートナー賞などの発表が行われた。

今回のMashup Awards11(MA11)では、APIを提供する企業・団体が過去最高の68に上った。応募総数431作品も昨年を上回る規模。MAというプロジェクトがWebサービス企業やWebエンジニアの世界ですっかり定着していることを示している。

▲リクルートホールディングス MashupAwards 事務局長 伴野智樹氏

この数年、IoT関連の技術がちらほら見られるようになったが、今年はファイナル12作品のうち7つがIoT関連と、その勢いを増しているのが今回の特徴だ。

ファイナルに進んだ応募作品の中から、松山太河氏(ベンチャーキャピタリスト)、藤川真一氏(BASE CTO)、砂金信一郎氏(マイクロソフト・エバンジェリスト)氏ら7名の審査員が選んだMA11最優秀賞は、安本匡佑氏と寺岡丈博氏による「参式電子弓」。

本物のアーチェリーに各種センサ、マイコン、小型PC、モバイルレーザープロジェクタ、バッテリーなどを搭載したARゲームシステムで、本物の弓を扱うように弦を引いて360度全方向に対して仮想的な矢を撃つことができる。

特徴は、インタラクティブプロジェクションマッピングと呼ばれる技術を導入していること。正面を狙って電子弓を構えれば、ゲーム中の正面の映像が投影され、上を向ければゲーム中の空・天井の映像が投影される。

また、弦を引っ張る強度もリアルタイムに計測され、強く引けば強く弾くほど遠くまで飛ぶ速い矢を放つことができる。

このインターフェイスを開発した安本氏(神奈川工科大学情報学部助教)は、東京芸大大学院ではCGを用いたアニメーションやインタラクティブ作品の制作を行ってきた映像メディアの研究者。

IPA未踏ソフトウェア創造事業ではバランスボール・インターフェイスの開発を手がけたこともある。電子弓デバイスは東京ゲームショウでも何度か展示され、話題を呼んでいた。

「昨年のMA10では、複数の携帯デバイスを動的かつ立体的に連携させる作品で優秀賞をいただいたが、今年は最優秀賞を狙うため、電子弓をさらにブラッシュアップして応募した。より聴衆にインパクトを与えようと、弓をこれまでの和弓から洋弓に変え、最終プレゼンの衣裳にも凝ってみた」と、安本氏は狙いが見事に当たり、嬉しそうだった。ちなみに最優秀賞の賞金は200万円と高額だ。

【決勝レポート 】Mashup Battle FinalSTAGE〜全作品紹介〜

MA常連の首都大学東京、今年はIoT部門賞を獲得

MAには学生からの応募も多い。IoT部門賞を受賞したのは、首都大学東京でシステムデザインを学ぶ学生グループの作品だ。

圧力、加速度、地磁気センサーなどを仕込んだ靴の中敷き(インソール)とスマートフォンで遊ぶ新感覚の鬼ごっこゲーム「Peta Peta」。

足を強く踏み込むとその足跡がスマホのマップ上に表示され、お互いの位置を把握することができる。歩いた分だけポイントが加算される仕組みのため、忍び足で確実にポイントを稼ぐか、見つかるのを覚悟で一発逆転を狙うか、ゲームに勝つには頭脳的な戦略が求められる。

「ハードウェア的には中敷き型デバイスが重要。これを使うキラーコンテンツとして鬼ごっこを考えた。中敷きデバイスとスマホはBluetoothで接続。スマホには専用のアプリをインストールし、データはすべてサーバに蓄積されるため、鬼ごっこの様子をWebで観戦することもできる。リアルゲームとしてだけでなく、街コンイベントや防災教育、地域活性化などでも活用できる」と、エンジニアリング担当、同大修士1年の小宮慎之介氏は開発の動機と今後の展開を話す。

小宮氏らが属する渡邉英徳准教授の研究室は、MAでの受賞歴が多いことでも知られる。

「今回の作品については直接指導はしなかったが、完成度が高く、十分商用になりうるレベルで驚いた。IoT的な発想は、私の研究室でも新しい流れ。その第一弾がMAで評価されたのは嬉しい」と、渡邉准教授は語っている。

12月5日開催、CodeIQ主催の学生向けイベントに渡邉准教授が登壇!

勉強会好きのエンジニアはたまらない。「Evereco」で新たな出会いを

今回のMAにはCodeIQも、メディアパートナーとして参加し「CodeIQ賞」を設けた。受賞作品は「Evereco」。近年活況を呈するエンジニア勉強会を意識し、過去の参加状況からおすすめのイベントや勉強会を推薦してくれるサービスだ。

ATND、Yahoo!テキスト解析、楽天ブックス総合検索などのAPIを活用、レコメンドシステムには機械学習のロジックを使っている。開発者の鈴木英友氏は楽天でアフリエイト技術を開発するエンジニアで、今回がMA初応募。

「自分自身がプログラミングや機械学習などの勉強会によく参加する。ATNDなど関連サイトは多いが、自分が求めているものを探しきれなかったり、そもそもサーチワードが思いつかない場合もある。EverecoのWebサービスではTwitterアカウントを登録しておくと、これまでの参加状況をもとに機械学習し、いま旬の勉強会をお薦めしてくれる。ときには意外なものが推薦されることもあるが、その意外性は新たな気づきにつながるかもしれない」

あくまでWebサービス開発は自分の趣味。ただ、使ってくれる人の意見は重要だ。「勉強会好きのエンジニアに使ってもらい、ぜひフィードバックを寄せてほしい」と語っていた。

MA11でIoT関連技術の応募が多かったことについて、Mashup Awards運営委員長の麻生要一氏(リクルート・メディアテクノロジーラボ所長)は、こう今大会を総括していた。

▲リクルートホールディングス 戦略統括室 室長 麻生要一氏

「エンジニアは本来、最新の技術で自分が作りたいものを作る人々。Webだけに完結せず、システムにハードウェア・デバイスを組み込もうとするのは、今の時代の流れに敏感な証拠だと思う。作品の完成度やプレゼンテーションも年々向上しており、審査員はもちろん、聴衆の方々も十分に楽しめた。MAは来年も続く予定。より多くのエンジニアに参加してほしい」

▲毎年恒例の会場参加者による集合写真。圧巻!

(取材・執筆:広重隆樹 撮影:延原優樹)

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