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『ハッピーエンドの選び方』監督が語る生き方と“死に方” 「誰でも生きたいように生きる権利がある」

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第71回ヴェネチア国際映画祭観客賞など、世界中で注目を集めているイスラエル映画『ハッピーエンドの選び方』が現在上映中。自分らしい最期を選ぶ自は無いのだろうか? “人生最期の選び方”というテーマを選びながら、各国の劇場が笑いに包まれるほどユーモラスという、絶妙なバランスで描かれた傑作ドラマです。

主人公はエルサレムの老人ホームで暮らす発明好きヨヘスケル。病気に苦しむ友人から頼まれ、自らスイッチを押して苦しまずに最期を迎える装置を発明します。その発明が思わぬ評判を呼んで……? 死と向かい合いながらも、ユーモアを忘れず仲間のために奮闘するヨヘスケルと仲間の姿、そして、妻・レ バーナが認知症という問題に直面したヨヘスケル夫婦の絆の深さが感動を呼び、ヴェネチア国際映画祭観客 賞受賞、ロッテルダム国際映画祭観客賞ノミネートほか高く評価されています。

監督は、シャロン・マイモンとタル・グラニット。今回はお2人に映画について、誰にでも平等に訪れる死について、色々とお話を伺ってきました。

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http://getnews.jp/archives/1215247 [リンク]

―本作とても興味深く拝見しました。テーマはシリアスなのに描き方がとても明るくて優しくて。本作を撮ったきっかけはどんな事だったのでしょうか?

シャロン・マイモン:僕の昔の恋人の祖母、が80歳のとき、癌で亡くなったのだけど、彼女は死ぬことによって病気の苦しみから解放されたはずなのに、救命士が部屋にやってきて彼女を蘇生させようとしていた。「なんでそんな事をするんだろう?」と、僕は不合理さを感じた。それが映画の原点なんです。

―この作品は、シリアスにしようと思えばいくらでもシリアスに出来る題材だと思うのですが、コメディタッチな演出が絶妙ですよね。その様な演出にした理由を教えていただけますか?

シャロン・マイモン:主演の2人はコメディアンなのだけど、彼らのキャラクターは“あて書き”(演劇や映画などで、その役を演じる俳優をあらかじめ決めておいてから脚本を書くこと)なんだ。2人の俳優の力が活きている。感動的な瞬間にユーモアを挟むことで、より物語のテーマが持つ問題が浮き彫りになる、そう考えたんだ。

タル・グラニット:この映画を色々な国で上映したけれど、みんなが声を出して笑ってくれるのが嬉しかったの。日本の皆さんにも、死をテーマにした作品だからといって構えずに、楽しんで観ていただきたいです。

―お2人は日本の映画もお好きで、本作にも『おくりびと』(2008)が影響しているとか?

シャロン・マイモン:北野武監督や黒沢明監督の作品など、日本の映画は本当に大好きです。忠実で正確な描写がされていますよね。

タル・グラニット:『おくりびと』もそうですが、日本の映画は現代の家族が抱える問題や、倫理的な問題といったものをテーマにしたものも多く、映画を楽しみながら、考えさせられるのが素晴らしいと思っています。

―この映画で主人公達は“自分らしい死に方”を模索しますが、私の実家の長野県では「ピンピンコロリ運動」というのが盛んでして、病気に苦しむことなく、元気に長生きし、病まずにコロリと死のうという暮らし方を提唱しているんです。

シャロン・マイモン:なんて素晴らしい! その「ピンピンコロリ」というテーマ、次回作に使っても良いかい?

―ぜひぜひ! 私の祖父もまさにピンピンコロリな死に方をして、その姿を近くで見ていたので、素晴らしい最期だなと思います。

タル・グラニット:まさに私たちの理想とする最期ね。人は誰でも、生きたいように生きる権利があると思う。そんな事を考えるきっかけにこの映画がなってくれれば嬉しいわ。

―今日は貴重なお話をどうもありがとうございました。


『ハッピーエンドの選び方』
シネスイッチ銀座ほか全国公開中
http://happyend.asmik-ace.co.jp

(C)2014 PIE FILM/2-TEAM PODUCTION/PALLA FILM/TWENTY TWENTY VIION.

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記者:

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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