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ぶっ通し7時間、ステージとフロアが融け合ってねごとの歴史を堪能した前代未聞の画期的フェス完遂

ぶっ通し7時間、ステージとフロアが融け合ってねごとの歴史を堪能した前代未聞の画期的フェス完遂

終わってみれば7時間ぶっ通し、頭のてっぺんから爪先まで余すところなくねごとの世界に浸り染まった1日だった。

デビュー5周年を記念して約4年ぶりに開催されたねごと自主企画イベント、そのタイトルも“お口ポカーンフェス?! NEGOTO 5th Anniversary〜バク TO THE FUTURE〜”。これまでの“お口ポーカンフェス”シリーズ集大成とも呼んでいいかもしれない。なにせ東京・恵比寿のライヴハウス、LIQUIDROOM ebisuを建物丸ごと借り切り、1Fのライヴフロアをメインとなる“ねごとステージ”、2Fをメンバー各自のソロ企画を披露する“ひとりごとステージ”として併設のカフェやギャラリーもフル活用し、ライヴのみならず写真や映像の展示(「endless」MVに登場した球体ディスプレイも大活躍)に始まり、カフェとのコラボでメンバー監修のオリジナルメニューを登場させたり、場内の至るところにこれまたメンバー考案のねごとクイズ、題して“ねごと検定”が貼り出されていたり(ちなみに全問解答して応募すると抽選でプレゼントがもらえる)、書き出したらキリがないほどねごと尽くし。そもそもフェスと銘打ちながら出演アーティストがねごとオンリーという発想からして、前代未聞だし画期的すぎるではないか。それを実現し、見事やり切れるだけの地力が今のねごとには備わった、そういうことだろう。バンドとしての体力あるいは存在感、彼女たちの内に息づく確信と矜持。それらを格段にグロウアップさせた4人の5年間はやはり伊達じゃない。

計5ステージ行なわれたねごとステージでのライヴはイベントタイトルにも象徴されるように、5年間のねごとの歩みを切り口を大胆に変えながらその魅力に迫ったものとなった。

フランク・ザッパの「Catholic Girls」をSEに全員がパジャマ姿で登場、立ち位置も蒼山幸子が上手側という今や懐かしの完全初期仕様で1stミニアルバム「Hello“Z”」、1stフルアルバム「ex Negoto」の楽曲をメインに怒濤のほとばしりを見せた1ステージ目。楽曲に宿った初期衝動は5年が経ってもまるで色褪せることなく観る者を圧倒する。しかも今の彼女たちのスキルで演奏されるからなおさらだ。フロアとの親和性も高い現在のライヴを知っているから余計に唯我独尊をいくステージングが新鮮に刺さる。デビュー当初のねごとを知らない新しいファンにもこの“突き放され感”は驚きであり、新たな快感でもあったのではないだろうか。

そのまま歴史を辿るかと思いきや、さにあらず。2ステージ目は最新アルバム「VISION」を軸にして現在進行形のねごとを存分に堪能させた。

かと思えば、3ステージ目ではVJとの融合で視覚的な斬新さと耳に訴えかける楽曲そのものの強さを改めて知らしめるというチャレンジングな試みがなされた。

さらに4ステージ目の“聴かせるねごと”では牧歌的な叙情感から一転、むせ返るようなシューゲイズ・サウンドでフロアをエモーショナルの渦に巻き込む大技を披露。緩急メリハリのある展開は実にスリリングでオーディエンスをまったく飽きさせない。ちなみに2ステージ目の終了直後には澤村小夜子にサプライズが。

ステージドリンクにもするほど日頃から“バンホーテンココア”を愛飲している澤村に販売会社である明治の方から1年分のバンホーテンココアが贈られたのだ。そればかりでなく、来場者にも無料サンプリングを実施してくれるという太っ腹ぶり。様々な愛情によってこのフェスが作られているのだとつくづく思わされた一幕だった。

ねごとステージの合間を縫って行なわれたひとりごとステージは、普段ではあり得ないほどの距離の近さがファンの心を温め、楽しませた。

藤咲佑のほのぼの“おしゃべりクッキング”に始まり、澤村小夜子の才能に目をみはった琴演奏、DJと怖い話という異色の組み合わせがあまりにも“らしい”沙田瑞紀のDJコーナー、アコースティックな歌声を存分に堪能させた蒼山幸子の弾き語りライヴと、メンバーそれぞれのキャラクターが色濃く反映された粒よりのソロ企画。これだけベクトルの異なる個性のピースがかっちりとハマって一丸となったねごとというバンドが強くないわけがないと妙に納得させられてしまう。

ライヴアンセムにキラーチューンにと息つく暇を与えずにアッパーに畳み掛けた大トリのラストステージに立つねごとはいつにも増して大きく見えた。長丁場を共に過ごしたことで芽生えた連帯感が一丸となって熱狂をさらに押し上げてもいるに違いなく、ここにきて今日いちばんの盛り上がりを見せるフロア。メンバーの表情も歓喜に輝いて、とてもまぶしく、佇まいの輪郭線がひときわ濃く太くなったと感じさせた。バンドとオーディエンス、それぞれがそれぞれをたたえ合うような、互いのリスペクトが手を取り合ってスパークするような、この上なく幸せな光景が広がって、思わず目頭が熱くなってしまう。楽しくて泣けるって最高だ。本編ラストを飾ったのは、最新アルバム曲にして瞬く間にキラーチューンへと育ったねごと随一のダンスチューン「endless」。これから先も止まらずに、エンドレスに進化し続けるというメッセージも込められているようだった。

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