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第34回 宮崎談合事件

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 11月16日の夜から、宮崎官製談合事件で宮崎北警察署留置場は大騒ぎだった。留置係官があちこちに電話をかけまくり、収容者の部屋替えがあちこちで行われるとのバタバタとなった。

 宮崎北警察署は宮崎の中ではもっとも設備が整っているとのことで、共犯関係にある者を引き受けても顔を合わせないようにすることができる。
 各所に移動式のアコーディオンカーテンが置かれており、共犯者がいる部屋の近くを通行するときにはこれで隠され、各室には前面(鉄格子側=廊下側)を覆ってしまうスクリーンカーテンがあり、共犯者がいる部屋の前を通行せざるをえないときはそれが下ろされる。

 後でガセネタと分かったが、知事もここに留置されているとの話が行き渡った。
 12月8日は朝から宮崎北警察署の上空を飛び回っているらしく、ヘリコプターのエンジン音が響いてきた。

 中にいる我々はこういうことに敏感で、知事の逮捕は本日で、留置先はここであると断定された。その日の晩にはまたもや留置場がバタバタした。
 知事がここに入ったのは間違いない、8号室だいや10号室だとか、ここに来たがすぐに県警本部に移ったとかの噂が飛び交い、尊顔を拝することはなかったので結局真偽は不明のままだった。
 もっとも、談合事件の関係者の幾人かはここにいた。

 談合事件のせいだと思うが我々の楽しみであったラジオ放送がなくなった。あまりに談合事件のニュースが流れるものであるから、それを関係者に聞かせないために中止となったようである。
 その代わりに留置係官が持ち込んだらしい松任谷由実の唄が流れるのだが、テープが最後まで行くと最初からの繰り返しで、それしか流れない。松任谷由実が好きな人でもいい加減うんざりしてしまう。

 実は、当初はFM宮崎を流していた。おそらくニュースの時間となり、談合事件が流れるようであれば切ればよいと考えていたのではないか。
 ところが何かの手違いで、それが流れてしまった。係官はあせりまくり「早く切れ」「止めろ」「何やってんだ」と大騒ぎ状態になってしまった。それ以来松任谷由実のテープとなったのだ。

 これが一日中繰り返し流されるものだから、被収容者からは「FMを聞けないのはお前らのせいだ」とか「こんなところでも県民に迷惑をかけるのか」といった、いささか筋違いと思われる文句も出た。
 さらに回覧されてくる新聞もまともに読めない。談合事件の箇所はすべて切り抜かれている。黒塗りではないのだ。切り抜かれたら裏面の記事もないということだ。
ここでまた怒り爆発で「お前らのせいで新聞も読めないぞ」との罵声が出て、係官が「お前らうるさいぞ」と言って回る事態となってしまった。

 警察の取調べは、就寝時間の9時前に終わるのが普通であるし、その時間近くになると、留置担当官が、取調べをしている刑事に「もうすぐ時間ですよ」と伝えに来る。そこで、取調べは終了となる。私もそうであった。
 しかし、談合事件の関係者の取調べは遅くまでやっていた。毎日というわけではないが、一日おきに、9時までの終了と10時過ぎの終了とを繰り返していた。それだけ大変な事件ということだろうか。

 ちなみに、事件を否認していた(と思う)知事は、地裁及び高裁で懲役3年6か月の実刑判決を受け、最高裁に上告をしていたが、その上告中に死亡している。
 判決が確定しなかっただけに知事にとってはよかったかもしれない。合掌。(つづく)

元記事

第34回 宮崎談合事件

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