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バニラビーンズ 解散懸けた試練課せられるも焦燥感見せず“バニビ”らしさ貫く

バニラビーンズ 解散懸けた試練課せられるも焦燥感見せず“バニビ”らしさ貫く

 11月にリリースしたシングル『女はそれを我慢しない / ビーニアス / lonesome X』と、来年発売するアルバムの合計出荷枚数が1.5万枚に達成しないと解散。という試練の真っ只中にいる“バニビ”ことバニラビーンズが、11月21日 渋谷club asiaにてワンマンライブを開催した。

バニラビーンズ キュートなライブ写真一覧

<アイドルが解散を懸けた企画へのアレルギー反応>

 ブレイクや日本武道館などでの大規模ワンマンライブを実現するべく、運営から指定された“売上枚数”や“順位”や“動員数”を目指してアイドルが奔走する企画は多く、それが“解散”を懸けて行われることもアイドル業界では珍しくない。古くは『電波少年』などのバラエティ番組で多用された企画だが、今ではなかなかブレイクできないアイドルのお約束のひとつとなっている。ゆえに「もういいかげんにしろ」「こんな企画にいつまでも踊らされていられない」等のアレルギー反応を示す人も少なくなく、今回のバニビもその例に漏れない……どころか、反対する意見が他のアイドルのソレより激しいように感じられる。

<他のアイドルとは一線を画してきたセンセーション>

 バニビは、まだアイドルの特典会が握手会やチェキ会といったスタンダードなものしかなかった時代より、なでなでorビンタ会や完全ガードハグ会、リフレアD&D直塗りぬりぬり講習会等の斬新な特典会を実施。他にも、ビニール張りのトラックで生活したり、生けるマネキンになってみたり、いわゆる他のアイドルとは違うセンセーショナルな催しを積極的に行ってきた。おそらく誰よりも早く。それらの企画はいずれも話題性を求めてのアクションであったことは間違いないが、重要なのはいずれもユーモアに溢れており、時にスタイリッシュでもエレガントでもあり、後にアイドルシーンで隆盛する“過激であること”を至上とするソレとは一線を画していた。

<心地良い2人組としてステージに立ち続けてきた>

 無論、アイドルとして長く活動していればファンの前で泣く事もあるし、SNSでネガティブな発言をつい投稿する事もあるし、そもそもなんでアイドルなんてやってるんだろう……と自分を見失う事もあるし、それはバニビのようなマイペースに見えるアイドルだって例外じゃない。しかし彼女たちはソレを武器にして活動してきた訳ではなく、なんだかんだで“北欧の風に乗ってやってきた、清楚でイノセンスなアイドル”らしく……まぁ最近は自虐ネタも少なくないが(笑)あくまでネタということで、7年越しの恵比寿リキッドルーム単独公演がそうであったように、観る者の気持ちを穏やかにする、軽やかにする、そして楽しくさせる心地良い2人組としてステージに立ち続けてきた。

<「こんなときでも、有頂天うたっちゃいます!」>

 ゆえに今回の“解散”をチラつかせる企画には、激しくアレルギー反応を示さざるを得なかった。「いやいや、バニビはソレをやらないからバニビなんでしょう!」という苛立ちが爆発した。逆の立場から言えば「ソレをやらないともう厳しいんだよ!」ということなんだろうけれども、バニビ界隈には流れるはずのなかった不穏なムードやヒリヒリした空気が生まれてしまった。そんな中で開催された今回のワンマン、きっと焦燥感や悲壮感に溢れてしまってんだろうなぁ。そんなのバニビらしくないなぁ……と思いながら足を運んだのだが、バニバンドを従えて登場したレナとリサは、なんかとっても笑顔。意気揚々としていた。

 「こんなときでも、有頂天うたっちゃいます!」と「有頂天ガール」をシュールに愉快にみんなと歌い踊り、「さぁみんな! 今日は待ちに待ったワンマンライブの日でーす! 最高な1日にしてください!」と「プリーズミー・ダーリン」をいつも以上にキュートに軽快にお届け。焦燥感や悲壮感といった類のヒリヒリしたムードは一切なく、それらを強引に押し殺しているような気配も一切感じさせず、満員のお客さんの姿に素直に歓喜しながらバニビらしいライブを繰り広げていく。前方後円墳の形を模した新衣装についての「何古墳だっけ?」(レナ)「前方後円墳」(リサ)「何それ? ……ぜんぽうふん」(レナ)「もういいや。もう忘れなさい」(リサ)といった噛み合わないやり取りもいつも通りで、会場はほっこりした空気に包まれていた。

 少し拍子抜けもしたが、安心した。というか、ちょっと感動した。

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