体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

同人誌のつくりかた・イベント編 ~なんか結局海の方角に集まることになるんだぜ~

a0002_000142_m

同人活動に関わるあれこれを紹介するシリーズも第三回目となりました。まだ11月ですから表紙入稿も早割がきく時期ではないでしょうか。
今回のテーマはイベントです。筆者が初めてイベントに参加しはじめた頃はまだぎりぎりコミケットの会場が晴海国際展示場の時代でした。好きなジャンルが変遷するにつれて、台東区の東京文具共和会館、大田区の東京流通センター、豊島区のサンシャインシティなどの会場を転々としました。都内の同人イベント会場は湾岸沿いに多くあります。特に墨田江東大田あたりに密集している感があります。この界隈に同人活動に利用しやすい商業設備が多いのです。有明のビッグサイトなんて突き抜けて海に面しています。冬コミでは待機列で冷たい風をもろに浴びながらじっと待つなんてことも。

企業イベント

ざっくりわけますと同人イベントは個人有志と法人の運営するイベントのふたつにわかれます。
もともとの同人誌即売会は個人有志の『コミックマーケット』に端を発しています。コミックマーケット準備会による任意団体としての集会でしたが、1985年に株式会社コミケットが設立されました。あまりに規模が大きくなり会場確保や業務形態に個人団体では追いつかなくなり法人形態をとるようになったという経緯があります。
もうひとつ代表的な企業イベントは赤ブーブー通信社による『コミックシティ』。
草分け的に有志集会から発生しているコミケットに対して最初からコミックシティは企業イベントしての発足です。コミケットと赤ブー社の大きな違いはこの点にあります。そのため過去には同人創作の場への企業参入そのものに批判的な意見もあったようです。
しかし年二回だけのコミケ開催では行き場のないオタクの熱量を大きく受け止めてくれる受け皿としてシティ系イベントは今ではなくてはならない存在です。赤ブーといえば前・赤ブーブー通信社事務局長であり『そうさく畑』代表であった武田圭史氏の訃報にショックを受けた方も多いことでしょう。
コミケット代表の米澤嘉博氏が亡くなられたのは2006年。お二人とも何もない荒地に創作への情熱を開示できる場を築いてくださったパイオニアです。彼らの創設した同人誌即売会で青春を救われたという参加者は数多いるはず。筆者もその一人です。この場を借りて哀悼の意を表します。

個人イベント

そして個人主催のオンリーイベント
必ずしもオンリーとは限りませんが個人主催というとそのジャンルに特化された単一イベントが目立ちます。
更にキャラクターが数多登場するモンスタージャンルとなると一部のカップリングに特化されたイベントも存在します。昨今では『刀剣乱舞』や『艦隊これくしょん』などがわかりやすい例かもしれません。カップリング特化というとキャラクターが大勢登場するというイメージもありますが対極的にそのジャンルを牽引する強烈なキャラクターがコンビとして目立ち支持を受けているという場合もあります。例えば『TIGER&BUNNY』の虎(鏑木・T・虎徹)と兎(バーナビー・ブルックスJr.)や『ワンピース』のゾロとサンジなど。 &
個人主催のメリットは何と言っても企業イベントよりも自由度が高いことと愛に溢れていること。企業イベントではできないスペースの利用方法として好きなキャラの衣装が展示されたり、好きなキャラの誕生日に開催されなおかつバースデーソングが流れたり。筆者の経験したオンリーイベントではコスプレOKだったため入場してすぐにトイレに入ったところ、自分以外は好きなキャラのレイヤーさんしかいない天国のような状況に陥ったことがあります。手を洗うすぐ隣で好きキャラがカラコンを装着していたり好きキャラがもう片方のネクタイをなおしていたりと、もう…助けて。そのまま高齢化したいような萌えでした。
主催サークルの規模が大きいと企業並みの運営も行われることがあります。筆者が経験した限り最大のイベントは単一サークル主催による東京大阪連続開催というものでした。小さな商業会館ではなくどちらも大規模施設の利用で参加者に頒布されるグッズがまた豪勢。真偽のほどは定かではありませんがキャラの愛用するグッズをお菓子に模したもので、その箱を製版するために印刷所に千万単位で鋳型を作らせたという噂がまことしやかに聞こえてきたものでした。オンリーイベントではその会場に集う人間はすべてそのジャンルを愛していることが明らかなので一種の陶酔感と一体感が味わえます。また小規模開催であることからビッグイベントでは落選してしまうサークルもほとんど当選するという初心者向けの一面もあります。交流がしやすいので自然に同人マナーが学べるという点も初心者向けかもしれません。

1 2次のページ
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。