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なぜ今、アクティブラーニングが求められるのか?

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なぜ今、アクティブラーニングが求められるのか?

次期学習指導要領の鍵

今から1年前に文部科学相から中央教育審議会へ諮問された次期学習指導要領のポイントの一つが、「自ら課題を発見して主体的・協働的に解決する資質や能力」を育むアクティブラーニング(AL)の導入です。背景には、テストで高得点を取って偏差値の高い高校から一流大学を卒業しても、上司の指示やマニュアルがなければ一人では何もできない社会人になっては、21世紀では通用しないという危機感があります。

AL自体は決して新しい考え方ではなく、大学では以前から使われていた用語です。既に各教科の「言語活動」として実践している小中学校もあります。教育関係者の間でもにわかに注目度が高まり、ALの方法論や教材などの開発が盛んに行われていますが、一方的な講義形式の授業に慣れ親しんだ学校現場からは「具体的には何をどうすれば良いのか分からない」といった疑問や不安、戸惑いの声も聞こえてきます。

「active」という単語の意味

英語辞典で「active」という単語を調べると、「(身体的に)活動的な、(精神的に)積極的な」という2つの意味が出てきます。日本では教師から促されなければ授業中に発言することはタブー視される傾向もあり、身体的には活動的になれても、精神的にまで積極的な生徒は少ないように見えます。「先生に教材を与えられ、促されて」課題に取り組み始め、決められた時間内に定められたルールに則って議論し発表することが多い日本型ALは「re-active」との表現が正確でしょう。

私がアメリカへ留学して一番驚いたことは、「授業参加」が成績評定の一部であるにせよ、教授と生徒の質疑応答がマシンガンの応酬のように活発で、授業中に寝ている生徒など全くいないことでした。欧米では授業中に活発に質疑応答する程度のことは小学校でも当たり前で、最近アメリカでは「プロジェクトベースラーニング」という言い方をされるように、要は生徒自身の興味関心に沿って自ら主体的に課題を発見し、教科書や学校の枠を超えてでも積極的に調査して解決策を見出すという、まさに「精神的に積極的な」という意味の「pro-active」な姿勢が根付いています。

日本型アクティブラーニングの課題

日本では、AL授業として周囲の子どもと話し合いながら解決するグループワーク等が想定されています。しかし、前提としてクラス全員が同時に同じ課題に取り組むため、先生が主導しないと生徒は動き始めませんし、「できる子」は先生の指示に沿って積極的に参加することはできても、課題を十分に理解できない子どもや自己表現の不得意な子どもは、クラスの一員として形式的に能動性を演じるしかありません。こうして彼らの抱える課題が顕在化することはなく、学力格差は解消されるどころか固定化されていくのです。

このように、日本型ALでは主体性やコミュニケーション能力を養うといった本来の趣旨を先生、生徒全員が心の底から納得・同意して取り組んでいるのか疑問が残ります。しかし、彼らの取り組み姿勢が問題の根源なのではありません。どんなに正しい方法論で立派な教材を使っても、バドミントンコートでテニスをするがごとく、そもそも受動的な集団画一教育という枠の中でALを実践しようとするという「制度」に大きな矛盾があるのです。精神的にも積極的なALを実現するには、生徒一人ひとりの理解度や興味関心に見合った課題を個別カリキュラムとして設定することが不可欠です。

(小松 健司/21世紀教育応援団)

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