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【酷すぎ】号泣県議で問題となった政務活動費を移し替え議員報酬を1260万円にUP―臭いものに蓋をする東京都千代田区【地方議会ニュース解説委員 山本洋一】

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政務活動費の大部分を議員報酬に移し替え-酷すぎる千代田区議会の現状

地方議員が議会活動の経費に充てる政務活動費を巡り、東京都千代田区がその大部分を議員報酬に移し替える方向で検討している。「不正支出に注目が集まり経費が使いにくくなった」として、使途報告の義務がある政活費を減らし、誰もチェックできない給与を増やすというのだ。「臭いものには蓋をする」とは、まさにこのことである。

千代田区の議員報酬を巡っては、区長の諮問機関である「特別職報酬等審議会」が現在検討中。報道によると月額15万円の政務活動費を5万円に減らし、差額の10万円を議員報酬に上乗せするという。報酬を増やすと期末手当にも反映されるため、政務活動費を含めて議員が年間に受け取る金額は現在より14万7000円多い約1260万円になる。

審議会が近くまとめる答申を受けて区長が条例改正案を提案し、早ければ来年度から適用される。

政活費を巡っては一昨年の「号泣県議」を機に注目が集まり、全国で不正支出が相次ぎ明らかになった。問題を契機にマスコミが政活費の使途に関する報告書を調べたところ、明らかに不適切な使われ方が次から次へと見つかったのだ。

問題発覚を受けて兵庫県議会など全国の多くの議会は支出の厳格化や政活費の減額などを打ち出した。ところが、千代田区の対応は真逆。千代田区の審議会議事録をみると、こんな発言が出てくる。

「透明性を高めると、誰とお茶を飲んだのか、どういう話をしたのかということが求められる。本当に必要な調査費だが、政活費では使えない恐れが出てくる。議員の活動が縛られる」(委員)

確かに情報収集や懇親のために自治体職員とお茶を飲んだり、食事をしたりすることもあるだろう。しかし、そのすべてを税金で賄う必要があるのだろうか。

政治活動と個人活動の線引きが難しいのは、議員の特権意識からだ

一般のサラリーマンでも、業務のために使った経費をすべて会社に請求するとは限らない。私も新聞記者だったころ、政治家や官僚、経済人と食事する機会は多かったが、自分の上司を含めた正式な会合では会費を請求したが、大半を占める私的な会合はすべて自分で支払った。

仕事とプライベートの線引きは難しいし、日々誰と会って、どんな人と情報交換しているのか、会社側にも知られたくなかったからだ。経費の一部を私費で支払うことなど、結果を出そうとするサラリーマンにとっては当然のこと。「政治活動と個人の活動の線引きが難しい」というのは、「政治家は特別」という議員の特権意識にほかならない。

審議会の中では議員の年間報酬を自治体職員の給与と比較する議論も出ている。自治体の部長職の年収を100とすると一般の議員の報酬は80くらいであり、「ちょっと低すぎないかと感じる」(会長)というのである。

しかし、一年を通して朝から晩まで働く自治体職員と、年間80日程度しか議会の開かれない地方議員とを比べること自体がおかしい。一年を通して議会を開くから報酬を増やす、それとも報酬を減らして一般のサラリーマンとも兼業できるよう夜間・休日議会にする、というのならわかる。現状のまま、給与だけ増やすというのは納得が得られない。

「臭いものには蓋をする」とは「内々の醜悪な事実を他人に知られないよう、一時的な間に合わせの方法で隠し防ぐこと」(広辞林)の意だ。今回のような「間に合わせの方法」で、「醜悪な政治資金の実態」を隠し通せるとは思えないが。

(地方議会ニュース解説委員 山本洋一)

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