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復権! ハードディスクよりスゴい「磁気テープ」とは?

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HDDの倍以上の耐久性

古いSF映画では、リールに巻かれた磁気テープがガシャコンガシャコンと動くシーンがたびたび登場する。カセットテープでラジオ番組を録音したり、お気に入りドラマをCMカットしながら録画したりした人も多いだろう(昭和生まれなら)。どことなくノスタルジックな存在だったりする磁気テープだが、2015年にそんな話はもう通じない。今や時代の最先端をいく記憶媒体なのだ!

ここで磁気テープの原理を簡単に振り返ってみよう。プラスチック製のテープ表面には、磁性体と呼ばれる小さな磁石の粒が並んでいる。磁気テープの記憶容量は磁性体の粒のサイズに依存していて、小さければ小さいほど多くのデータを記録できる。


富士フイルムの最新磁気テープ技術が詰まった大容量テープ「LTO Ultrium 6カートリッジ」

さて、9年ほど前のことだ。富士フイルムがこの磁性体の大きさを従来の半分にすることに成功した。耐用年数も、何とHDDの2倍以上とした。この”事件”が磁気テープが見直されるきっかけとなったのだ。さらに富士フイルムは、IBMと共同で2015年4月、テープ1本あたりの記憶容量が従来の88倍の220テラバイト(DVD約5万枚分だ!!)となる超高密度の磁気テープを開発。進化は止まらない。

万一の状況に備えた頼れるバックアップ

磁気テープには、大容量のデータを記憶できること以外にも長所がある。例えば、抜群の安定性だ。磁気テープの記録原理は50年以上前に確立したもの。いわば”円熟した技術”なのだ。

さらに、低いコストで運用できるのも大きなメリットだ。HDDはデータを使用していなくてもディスクが常に回転している必要があるが、磁気テープが電気を必要とするのはデータを読み出すときだけ。また、設置費用もHDDに比べて安価で済む。

大容量、安定した技術、低コスト運用と、三拍子揃った磁気テープ。過去の膨大なデータのバックアップをとるには理想的な方法だ。研究機関や自治体といった、ビッグデータを扱う機関から今や大注目を浴びるメディアとなっている。世界のデータセンターで使われている磁気テープの記憶容量は、2012年の327兆メガバイトから2017年にはその倍の700兆メガバイトに増えるだろうと、アメリカの調査会社IDCが発表しているほどだ。

「おぉ、ローテクなのにすごいね?」という話ではあるのだが、SSDやDVDが圧倒的に優位なのは、データの読み書き速度。だから磁気テープは、毎日ひんぱんに出し入れして使うようなデータ保存先にはまったく向かない。システムの大規模バックアップデータのバックアップデータ、くらいのスーパーサブ的な位置づけだ。困ったとき、ピンチのとき、後ろを振り返ると、頼もしい磁気テープが控えている……。ローテクIT技術が、今再び盛り上がっています。

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