引越しが面倒、今の家がいいと高齢期も住み続けるのは本当に正解?

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引越しが面倒、今の家がいいと高齢期も住み続けるのは本当に正解?

オリックス・リビングが、全国の40代以上(1238名)を対象に「介護に関する意識調査」を行ったところ、高齢期になった場合、大都市圏から地方移住などを希望する人が約3割いることが分かった。高齢期や要介護期の住まいについて考えてみよう。【今週の住活トピック】
第8回「介護に関する意識調査」の結果/オリックス・リビング約3割が高齢期に移住を希望し、約7割は移住を希望しない

「介護に関する意識調査」では、「高齢期になった場合、大都市圏からの地方移住、または、地方の中の市街地への移住を希望しますか。大都市圏にお住まいの方は、地方移住について、地方にお住まいの方は市街地への移住についてお答えください。」という設問になっている。つまり、「大都市圏から地方へ」と、「地方の中で市街地へ」、といった別の移動が含まれているが、いずれの場合も環境が大きく変わる移動ということになる。

さてその回答は、希望するが約3割だった(「希望する」5.3%+「どちらかというと希望する」25.4%)。大都市圏から地方へなど大きく移動することを考えると、少なくない数字と見てよいだろう。

もちろん一方で、希望しないという回答は約7割(「希望しない」27.5%+「どちらかというと希望しない」41.8%)と多く、住み慣れた場所から離れたくないという人が多数派だ。特に年齢が上がるほど、希望しない人が多くなる傾向が見られる。

興味深いのは、それぞれの理由だ。
移住を希望する人では、「何もせずにのんびり過ごしたいから」が42.0%と抜きんでて多く、「自然観察をしたいから」(24.3%)と「地域の人たちとの交流を図りたいから」(16.8%)が続く。いわゆるスローライフを期待して、ということになるのだろう。

一方、移住を希望しない人では、「引越しが面倒くさい」(25.3%)、「今の家が好きだから」(23.5%)、「家族の家との距離を広げたくないから(23.5%)が3大理由となっている。特に、引越しが面倒、今の家が好きという理由を挙げた人は、同じ家に住み続けると考えていることになる。

【図1】高齢期になった場合、大都市圏からの地方移住等を希望するか(単一回答)/出典:オリックス・リビング「第8回介護に関する意識調査」

【図1】高齢期になった場合、大都市圏からの地方移住等を希望するか(単一回答)/出典:オリックス・リビング「第8回介護に関する意識調査」

【図2】大都市圏からの地方移住等の希望の有無の理由(複数回答)/出典:オリックス・リビング「第8回介護に関する意識調査」

【図2】大都市圏からの地方移住等の希望の有無の理由(複数回答)/出典:オリックス・リビング「第8回介護に関する意識調査」家族や自身の介護に不安があるのは約9割。でも、具体的な準備はしていない

高齢期でも元気なうちはいいのだが、家族の誰かに介護が必要になったときは、どうだろう?

約9割が家族の介護に対して不安を感じており、特に精神面と費用面の負担に不安を感じると回答。自分自身の介護にも、約9割が不安を感じているが、その一方で、約7割が介護についてまだ何も考えておらず、人生設計の中に介護費用を含んでいるのはわずか3割にも満たなかった。

また、高齢期になって介護が必要になった場合、どのようなところに移り住みたいかを聞いたところ、「家族が一緒に移り住めるところ」(31.8%)、「自分と同じ高齢で介護が必要な人々が多く住むところ」(25.0%)、「多世代の人々が住むところ」(22.1%)となった。自立期と介護期、将来設計を立てて準備をしておきたい

長寿社会となっている今、定年後のセカンドライフは長い。自立して活動できるうちは、積極的に地域コミュニティに参加することなどを考えてほしい。しかし、体力面では衰えていくので、車や徒歩の移動に負担を感じたり、階段の上り下りや庭の手入れなどに負担を感じるようにもなってくる。活動範囲を広げるための住み替えやリフォームなどを、ぜひ検討してほしい。

また、介護が必要になる場合についても、どういった住まいの選択肢があるのか、費用をどのように用意するのかは、早いうちから考えておいたほうがよい。収入があるうちに、介護を含めた老後の備えをしておけば万全だ。

介護が必要になった場合の住まいの選択肢は、実は意外に多い。自宅に住み続けて訪問介護を受ける、サービス付き高齢者向け住宅などの賃貸住宅で介護を受ける、シニア向けの分譲住宅で訪問介護を受ける、有料老人ホームなど介護サービス付きの施設で暮らす……。ただし、夫婦同室で暮らせるか、プライバシーはどの程度保たれるかなどは選択肢によっても異なるので、事前に情報を収集しておくことが大切だ。
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/11/18/100871/

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