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詐欺グループ、実は「社畜」だった! タイムカードで出勤管理、ノルマ達成ボーナスも

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ブラックな労働環境にもかかわらず、自ら会社の都合よく働き続けるサラリーマンは、時に「社畜」と呼ばれて揶揄される。このような存在は大企業から零細企業まで広く見られるが、それが詐欺グループにまで及んでいたとすれば驚きだ。

先日「馬券が的中した」などとウソの電話をかけ、61歳の男性から現金60万円余りを騙し取ったとして会社役員ら4人が詐欺の疑いで逮捕されたが、警察の押収品からは彼らの意外な「真面目さ」がうかがえたという。
なまりを正す注意書きに「どうどうと!」という言葉も

完全に努力する方向を間違えた――。犯人たちの「働きぶり」を取り上げたのは、11月18日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)。事務所から警察が運び出した押収品は、どれも普通の会社の営業所にあるものと変わらないものだった。

ホワイトボードには大きく「全体目標2500」と営業目標らしき額が掲げられ、「ノルマ達成ボーナス!!」と細かく達成基準も示されている。

ICチップ入りの社員証も作成されていたが、郵便番号と住所が一致していない詰めの甘さも見られる。営業部長を名乗る「内村」なる人物は、大きく貼り出された営業成績グラフで3人中ダントツの最下位だった。

パソコンに貼られた付箋には、電話をかける際の注意点が細かく書かれている。「なまり注意」の言葉のほか、営業トークに使う「サシテモラッテマス」のアクセントの位置の正誤まで矢印で書かれている。

別の付箋には「ゆっくり ゆっくり…」と9回も繰り返し、最後に「どうどうと!」と自分に言い聞かせるように書かれている。地方出身者で、緊張すると早口でおどおどしてしまう営業マンだったのだろうか。

架空会社だというのにタイムカードもあり、営業成績2位の「福田」は毎朝9時頃出社して夜8時ごろまで働いている。15日間でたった1日しか休みを取っていない。やっていることは犯罪だが、仕事熱心な会社員となんら変わることはない。
「夢を叶えるために」プロボクサーが落ちたワナ

なぜこのような「誤った努力」が行われたのか。逮捕者のひとり、現役プロボクサーの宮城仁也容疑者(21歳)は、とび職をしながらボクシングを続けていくのが体力的に辛く、他の仕事を探していたという。

所属していたジムの会長は「もっとボクシングに打ち込めるように仕事を変える」という話を聞いた6月ごろから、ジムに来なくなったと証言する。心配したトレーナーがLINEで食事に誘うと、こんな返信が送られてきた。

「今仕事夜遅くて日曜日も休みないです。もう今の仕事やめたいって話しはしてるので時間作れるようにします」

夢を叶えるための手段として、犯罪とは知らずに手を貸してしまったのか。逮捕された4人のうち、宮城容疑者ほか3人は容疑を認めたり留保したりしているが、東京・渋谷区の会社役員、浦崎庄平容疑者(37)だけは否認している。

被害額2000万円以上、90人余りが騙されたと見られるこの詐欺事件、絶対に許されるものではない。しかしボクシングに打ち込むつもりで始めた仕事で、皮肉にも「社畜」にはまってしまったのだ。普通の会社でここまで努力していれば、報われたはずなのに……。哀れさを禁じ得ないニュースだった。(ライター:okei)

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