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紀里谷和明監督、ハリウッド進出作品『ラスト・ナイツ』に込めた想い 「映画は僕にとって壮大な独り言」

紀里谷和明監督、ハリウッド進出作品『ラスト・ナイツ』に込めた想い 「映画は僕にとって壮大な独り言」

『CASSHERN』『GOEMON』の紀里谷和明監督によるハリウッド進出作品。主演にクライブ・オーウェンとモーガン・フリーマンという名立たる俳優を迎え、「忠臣蔵」をモチーフに紀里谷自身が5年の歳月をかけて製作、壮大なスケールで描かれた感動巨編だ。このビックプロジェクトには世界17カ国から超一流のキャストとスタッフが集結し、日本からは伊原剛志、韓国からはアン・ソンギと名優が出演している。

戦士の時代が終わりを告げた封建的な帝国を舞台に、主君の不当な死に報いるため、揺るぎない忠誠心を胸に騎士たちが非道な権力者と戦う。この壮大なテーマでハリウッドに進出し、妥協を許さない姿勢で常に挑戦し続ける紀里谷和明監督に話を訊いた。

Q1:映画化するまでのプロセスを教えてください

僕のところに脚本が送られてきたんです。題材が『忠臣蔵』だから選んだというわけではなく、単純に脚本としてのクオリティが高く、凄いなと思ったんですね。現代でも権力や体制が根付き、(映画と)同じようなことが行われている中で、文句を言いながらも皆迎合していく。でもその状況に対して、バルトーク卿(モーガン・フリーマン)が「これはちょっと違う」と。自分の命をかけてでも言うべきことは語り、彼が死んだ後もその家臣らが動いていく。そして今度はその話を聞いた大衆が力を作っていく。そういう一人ひとりの行動がすごく重要だと思いました。

これだけ人種をゴチャまぜにした映画はあまりないんじゃないかと思います。この映画には多くの国の人たちが出演しているんですが、それに対しては最初は反対されました。つまりリアルな設定で言えば、黒人が貴族を演じるなんてありえない、「理解できません」と。ただ、僕はあわよくば、これが第1ステップとして、映画界の、ひいては社会全体の既成概念や固定概念を無くしていくことができればいいな、と思っています。

Q2:紀里谷さんが映画を作る原動力、あるいは映画にこめるメッセージみたいなものはありますか?

例えば古今東西、ハリウッドも含めてヒットする映画というのは、主人公が不条理に対して戦うことが多いんですね。『スター・ウォーズ』『タイタニック』もそうです。しかし「不条理とは何なんだ?」と。結局それは自由を奪う権力だと思うんです。そこに多くの人は感情移入をするんですが、古今東西、宗教がどうであろうが、みなさん自由が欲しい。自由が欲しくて、それを奪うものに対して戦いたいという気持ちはある。そしてそういう主人公は、皆のために戦うんです。でも、なぜこの世界はそうならないのか。今も戦争を延々とやってる状況がある事が不思議でしょうがないのですね。
よくよく考えると、つまりそれは個人が逃げていく状況なのかな、と。「自分は死にたくない」「自分は迫害されたくない」「自分は嫌われたくない」という、その集合体がそのようなものを作り出しているのかな、と。人間の心というのは、そこまで皆が思うほど性悪説みたいなことではなく、美しいものだとは思うんです。しかしながら局面局面で、目を背けてしまうという習性が起こっている、という事だと思うんですね。

Q3:紀里谷さんは数々の創作活動の中のひとつとして、「映画」をどのように受け止めていますか?

映画は僕にとって独り言だと思ってますね。壮大な独り言(笑)。楽しんでもらえればいいな、と。例えるなら、パーティをやっているような話で、人が来てくれたらとても嬉しいし、楽しんでくれればありがたいですけど、でもそこにかけている音楽や料理は、自分が好きなものを出してますよってことかな。それを「これイイ音楽だし、イイ飯だから、お前ら好きになれよ!」って言うのはちょっとまた違うかなと。それを履き違えてしまうと良くないと。僕もよく陥りがちなんですが(笑)。皆も好きになってくれたら嬉しいな、と思います。
ただ、これは経済が影響してくるところなんですが、映画だけじゃなくて、商品もそうで、自分が好きか嫌いかは横に置いておいて、「どうやったらそのパーティに来てくれるか」だけを考えている人があまりに多すぎると思うんですね。自分が好きでもない音楽なのに、これ今流行ってるから、これかけたら人がいっぱい来てくれる。自分が食べられないのに、この料理出したらみんなが喜んでくれるはず、とか。もっと言えば、「騙しちゃえ」って言っている人たちも多いと思うんです。でも、そんなパーティを開いたとしても、主催者側の自分は「それで楽しいんですか?」って思いますね。

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