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「鈴木部長は(スズ)じゃないと失礼」 日立独自の「表記ルール」が面白いと話題に

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先日、「年功序列」を廃止すると表明した日立製作所。日本を代表する大企業が、日本的経営の代表的な慣習を見直すと報じたニュースには、大きな反響があがった。

そんな日立製作所には、外からはうかがえしれない独自の「ローカルルール」が存在するようだ。特に社員間のコミュニケーションで使われる「日立用語」にはユニークなものがあり、ネット上で「面白すぎる」と話題を呼んでいる。
「漢字で書くと時間の無駄だ」と常駐員にも要求

テキストサイト「じゃんぬのどっとてきすと」は、「日立用語」のあれこれを紹介されている。確たる証拠はないが、内部情報と思われる記述もあることから、「筆者は日立グループの関係者ではないか」と噂されている。

特に興味深いのが、「人の名前」を表記する際の独自ルールだ。通常なら宛名には氏名とともに肩書きを表記するが、日立ではこれを省いて丸括弧(パーレン)で囲うという。

例えば「鈴木課長」であれば、日立の表記は「(鈴木)」となる。さらに課長より上のクラスになると、苗字をカタカナにして短縮して丸括弧で囲む。「鈴木部長」であれば「(スズ)」といった形だ。

このほか、文章を途中で終わらせる「~を頂きたく」や、謹んで承る意味の「拝承」、返信に感謝する「拝復」や、書き出しに添える「毎々お世話になっております」などの表現も。メールの文面にすると、こんな感じになるだろうか。

(スズ)
拝復。
毎々お世話になっております。
〇〇の件、本日中に行なって頂きたく。
以上

社長や事業部長クラスの大物になると、カタカナ1文字のみで表記される。鈴木社長だと(ス)の一文字。日立社内に常駐して勤務する人は、日立グループ外の社員であってもこのルールを守らなくてはいけない、という話もある。「鈴木事業部長殿」などと書くと、

「漢字で書くと時間の無駄だ」
「もともと時短のために用意されたルールだから守って欲しい」

と言われることがあるという。規則通りに書かないことで「お前を事業部長とは認めねーそ!」という他意を含むと受け取られ、失礼と取られることもあるのだという。
転職後も使用「日立方言だったのかコレ」

この表記はいずれも時間短縮と簡潔さを旨としており、いかにもせっかちで効率好きの日本のメーカーらしい。「じゃんぬのどっとてきすと」は2006年時点の内容だが、ツイッターなどでたびたび話題になっている。

これを読んで「初対面の若者からメールで、(竹田)とか書かれた理由やっと分かった」と、初めて納得する人もいた。この用語を、うっかり社外で使ってしまう人もいるようで、2ちゃんねるの「日立グループ用語」というスレッドには、

「以前、駐在先のお客様に『毎々』ってどういう意味??って言われた」

というカキコミも。転職後も「毎々お世話になっております」「~したく」を普通に使っていたという人は、「日立方言だったのかコレ」と驚いている。いちど染まってしまうと、なかなか抜けないようだ。

ただ、こうした日立用語に違和感を抱く人もいる。ある人は、日立のプロジェクトで働き始める際に、会社から「鈴木はスズと略すが同じランクの鈴木さんが3人いたらどう略すか」というルールを説明されたという。この人は、

「そんなルールを作って守って受け継いで人に説明するなんて果てしなく無駄」

と切り捨てている。もともとは省力化やスピード重視で始められたはずの慣習が、仕事の足かせになるとは皮肉なものだ。
グローバル化で「風前の灯」というクチコミも

キャリコネの口コミにも、日立用語が実際に使われているとするものがある。2013年のカキコミでは、20代前半の若手エンジニアが入社したころに戸惑ったと明かす。だが「慣れてくると普通に書けてしまうのが不思議な所」と書いており、その定着具合がうかがえる。20代の研究開発職もこう振り返る。

「メールのローカルルールには最初驚いた。何故か偉い人は宛名がカタカナだったり(サトウさん)、CCの順番まで役職順にした力を使わなければならないところはいかにも日本企業という感じ」

一方で、こんな貴重な慣習も社内では薄れ始めているという声も見られる。2012年のカキコミによれば、名前を略す習慣は「最近ではどの部署も廃止し始めている」という。

「~したく」などはまだまだ根強いようだが、増える外国人従業員との間でローカルルールは通じるわけがない。少し寂しくもあるが、消えざるをえない存在なのだろう。

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