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テクノロジーが医療・ヘルスケアをリデザインする「Health2.0 ASIA-JAPAN2015」開催!

ヘルスケア市場をリードするキープレイヤーが集結

Health 2.0 Asia – Japan 2015」は「テクノロジーが、ヘルスケアをリデザインする。(Technology Redesigning Health Care)」というテーマのもと、米国、ヨーロッパ、アジアのイノベーターと日本のヘルスケア市場をリードするキープレイヤーが一堂に集結。医療・ヘルスケアを変革するイノベーションとコラボレーション、問題解決に向けたアクションについて議論する2日間となった。

世界各国のヘルスケア市場が大きな変革に直面しつつある中で、日本の巨大市場は世界の注目を集めている。その一方で国内問題である逼迫する医療保険財政を改善し、患者さんのQOLを向上させるヒントとして、医療・ヘルスケアとテクノロジーの融合に大きな期待が投げかけられている。

グローバル化から守られた最後の砦ともいわれる日本の医療業界。知の共有と連携を通して新たなビジネスを生み出すプラットフォームを創るために、スタートしたばかりのカンファレンスの一部をレポートする。

医師とテクノロジー導入における障壁をどう乗り越えるか

2日目午後には、Yosuke Chikamoto, PhDによるKeynote「医師とHealth 2.0 ~ヘルスアウトカム・患者の充足度・医師の充足度の観点から~」が発表された。

医療現場に新しいテクノロジーが導入された際に、医師と患者にどのようなコミュニケーションの変化が生じるか、またそこで起こりうる問題と行動科学を活用した解決策の数々が、氏がリードコンサルタントを勤める米国で最大の統合医療機関・カイザーパーマネンテにおける豊富な事例をもとに紹介された。

「医師はHealth2.0にどう取り組むべきか」という問いは、これから新しいテクノロジーを導入する様々な場面で思い起こされるだろう。Yosuke Chikamoto, PhDによれば、テクノロジー導入成功のポイントは「導入することによる成果」「患者さんの体験(満足度)」に加え、最も大切なのは「医師のやる気、やりがい」だという。

例えば電子カルテ導入では、入力の手間などから患者とのコミュニケーションを妨げるものとして懐疑心を持つ医師がいた。そうした医師に対しては、「どう使うとよいか(How)」「なぜ使う必要があるのか(Why)」「使うことのメリット(incentive)」という3つのキーワードでアプローチをしたという。

さらに行動科学をヒントに、医師の心理的障壁を崩していく。わかりやすい手法としては、外からの押し付け・他人のやり方や言葉ではなく、医師に馴染みのあるやり方・言葉に置き換えたコミュニケーションで抵抗を減らす。

変化にアンビバレントであるのは、100%ネガティブではないということだ。医師が普段から使っている言葉を使ってテクノロジーが持つポジティブな側面を浮かび上がらせることで、医師の興味につなげていくという。

こうしたコミュニケーションにおける、いくつかの具体的な手法も紹介された。例えば新しく導入するテクノロジーへの5段階評価で3を選んだ医師には「なぜ2じゃないのか?」という質問を投げかける。

すると医師はポジティブな側面について自分が感じていることを話さざるを得ない。こうした様々な手法を駆使して、新しいテクノロジーへの医師のやる気を引き出していく。

医療現場における新しいテクノロジー導入にはとかく抵抗が大きい。こうした状況を打開するには、様々な質問を投げかけることで、医師の心理を虫眼鏡でクローズアップすることが成功の鍵だという。

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