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ドラマ『コウノドリ』 感動を際立たせる「塩顔男子」の存在

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 産科医療の現場をリアリティーたっぷりに描き、高い評価を受けているドラマ『コウノドリ』(TBS系)。ネット上には毎回、放送後、「感動した!」という視聴者の声が溢れる。感動的な演出に一役買っているのが、ある顔の特徴をもった俳優たちだという。テレビ解説者の木村隆志さんが指摘する。

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『コウノドリ』が女性の支持を得ている理由は、出産をめぐる感動的なストーリーであることに疑いの余地はありません。未受診妊婦、交通事故に遭った妊婦、喫煙妊婦、切迫流産など、毎週さまざまな妊婦のシリアスかつドラマチックな出産シーンが大きな見どころになっています。

 その感動に貢献しているのが、綾野剛さん、星野源さん、坂口健太郎さんら“塩顔男子”の存在。“塩顔男子”とは、「一重か奥二重まぶたで、色白など、薄い顔立ちの男性」をさす言葉で、このところメディアで特集が組まれるなど人気のタイプとされています。

 これまで俳優は「目立ってナンボ」「顔を覚えられたら一人前」と言われ、実際に“ソース顔”などの濃くはっきりとした顔立ちが主流でした。しかし、『コウノドリ』のようなテーマ性の強い作品では、その濃い顔立ちが邪魔になってしまうことがよくあります。今作でも、濃い顔立ちの俳優が出演し、産科医に見えず悪目立ちしていたら、素直に感動することはできなかったでしょう。

 そんな心配がないのが、綾野さんら“塩顔男子”。彼らは「いい意味で自己主張が少なく、それほど印象に残らず、物語の邪魔をしない」という強みを持っています。穏やかな笑顔の綾野さん、陰のある横顔を見せる星野さん、どこかキョトンとした表情の坂口さん。このような彼らの“薄い”姿は、出産をめぐって感情をむき出しにする“濃い”妊婦たちとのコントラストを際立たせていますし、まさにスタッフの狙い通りにうまくハマっている気がします。

 もともと『コウノドリ』は、出産経験のある全ての女性を軸に、出産願望のある女性や、恋人がいて妊娠の可能性がある女性も含む、幅広いターゲット層を狙った作品。濃い顔の男性は好き嫌いがはっきり分かれる一方、薄い顔の“塩顔男子”は幅広い層の女性から嫌われにくいので、作品のターゲット設定にピッタリ合うのです。

“塩顔男子”の俳優は、特定の色がつくことがないため、多くの作品に出演できますし、主役でも脇役でも輝くことができます。たとえば、夏ドラマの『民王』(テレビ朝日系)で総理大臣秘書役を演じていた高橋一生さん、秋ドラマでは『5→9』(フジテレビ系)にエリート商社マン役を演じている古川雄輝さんも典型的な“塩顔男子”ですし、今やトレンドの1つになりつつあるのではないでしょうか。

 かつては、『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)で江口洋介さんが演じた「あんちゃん」、『踊る大捜査線』で織田裕二さんが演じた青島俊作など、濃い顔で濃いキャラのヒーローが目立ち、それぞれ“ハマリ役”と絶賛されました。しかし最近は薄い顔の俳優だけでなく、薄いキャラのヒーローも増えています。

 その象徴的な存在は、『半沢直樹』(TBS系)のあとに『Dr.倫太郎』を演じた堺雅人さん。“熱く濃い男”という特定の色がつくことを懸念してか『半沢直樹』の続編ではなく、“クールな薄い男”の日野倫太郎を選びました。今後も“塩顔男子”俳優のさらなる台頭や、“クールな薄い男”のヒーローが増える気がします。

【木村隆志】
コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者。テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの聴き技84』(TAC出版)など。


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