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今年のボジョレー「かつてない仕上がり」もチリ産肉薄の現状

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 若者のアルコール離れが叫ばれて久しいが、酒類の消費量が減少傾向をたどる中でも好調なのがワインだ。

 国税庁の調査によれば、2012年ごろからワインの消費数量は過去最高を更新し続け、1990年代後半に起きた一大ワインブームをあっさり超えるほどの人気となっている。その理由について、酒類メーカーのメルシャンは、こんな分析をしている。

〈2000年以降ワインは、食事をしながら楽しむ食中酒として、記念日など特別な日だけでなく、さまざまな業態の飲食店などでも楽しめるようになった他、スーパーやコンビニエンスストアでも気軽に購入できるようになり、日常飲まれるお酒として定着しつつある〉

 最近では自分の好きな風味だけでなく、産地や銘柄を指定してオーダーする人が増えたのは確かだ。そんな中、今年も“ワイン通”が待ち焦がれる11月の第三木曜日(19日)が迫ってきた。フランス産の新酒ワイン「ボジョレー・ヌーボー」の解禁日である。

 今年のボジョレーの出来について、ワインの輸入商社らは「今世紀最高」と絶賛する。例年、〈ここ数年で最高〉〈100年に一度〉などと煽りぎみの前評判が“お約束”だけに、フタを開けるまで分からない。実際はどうなのか。

 ワインソムリエの資格を持ち、都内でワインバルを経営するフードコンサルタントの白根智彦氏に聞いてみた。

「今世紀最高というのはオーバーな表現かもしれませんが、付き合いの長い現地生産者からのレポートによりますと、『昨年同様、今年のボジョレーは直近のグレートヴィンテージと言われた2009年に匹敵する出来』とのこと。とても期待ができるワインに仕上がっていることは間違いなさそうです」

 年によって出来、不出来が大きく変わってしまうのは、もともとフランスのボジョレー地区北部の村のみで生産されたぶどうで造られるヌーボー(新酒)だけに、その年の天候に大きく左右されてしまうのだ。

「今年も4月からの雨不足が続き、6月は気温上昇、7月は酷暑、干ばつに悩まされ、ぶどうの過熟が懸念されていましたが、8月終わりになって程よく雨が降り、結果的には完熟した凝縮感のある良い状態で収穫を迎えたようです。

 前出の現地生産者はヌーボーについて、『素晴らしい糖度と色、フルーティーでリッチな味わいのバランスはかつてない仕上がりかもしれない』と話しています」(白根氏)

 こう聞けば、ますます今年のボジョレーには期待大だが、巷のワイン人気には異変も起きている。

「ボジョレー人気もあって、ワインといえばフランス産のイメージが強いですが、最近、ウチの店では『チリ産』の低価格ワインのほうが人気がありますよ。

 チリは年間降水量が日本より少ないものの、湿度による病害を心配する必要がないうえ、昼夜の寒暖差が激しく、ぶどうの栽培には適しています。また、人件費がヨーロッパに比べて安いため、低いコストでフランス産ワインを凌ぐ良質なワインができるのです」(都内の酒小売店主)

 国税庁による国別輸入数量でも、チリワインの「台頭」は明らかだ。2014年に4万kl(キロリットル)台を突破したチリワインは、2013年時点でフランスワインと2万klあった差をわずか1年で半分以下に縮めた。輸入ワイン全体に占める構成比も、フランス約29%に次ぎ、チリは約24%と肉薄している。

 このままいくと、伝統あるボジョレー産ワインが“チリ・ヌーボー祭り”に取って代わられるかもしれない。


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