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ハンマー投げ「9年連続2位」の悲哀 絶対的1位の陰で陽の目を見ない人がいる

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日本一高い山といえば富士山だが、2番目は「北岳」と言われてピンとくるだろうか。チーターが一番足の速い動物であることは子どもでも知っているが、2番は「プロングホーン」といわれても脳内に「?」が巡るだけ。北米に生息するトナカイのような動物だという。

このように1位はみんな知っているけれど、2位はほとんど陽の目を見ることがないのが現実だ。11月11日放送の「水曜日のダウンタウン」(TBS)で、プレゼンターの武井壮が「絶対的1位の陰に隠れた2位の世界」を紹介するのを見て、人生の悲哀を感じてしまった。(ライター:okei)
「日本選手権20連覇」の室伏に負け続ける

武井がプレゼンしたのは「ハンマー投げ日本2位 誰も知らない説」。ハンマー投げで日本一といえば、いわずと知れた室伏宏治選手。では、2位は?と言われても、スタジオの誰も答えることができない。

その人は「日本選手権9年連続2位」の土井宏昭選手(36歳)だ。ちなみに室伏選手は日本選手権20連覇。土井選手は室伏選手と同じ中京大学の後輩なので、さらに前からずっと負け続けていることになる。

「ふつうやめるでしょ」「いつか勝てると思ってるんちゃう?」

浜ちゃんほか誰もが驚くが、本人はこの状況をどう思っているのか。番組は、現役を続けながら流通経済大学で学生を指導している土井選手にインタビューした。

土井選手が1位との差を感じるのは、「よく名前を間違えられる」ことだ。日本選手権で17回中3回、宏昭(ひろあき)ではなく「昭宏(あきひろ)君」と呼ばれた。土井さんは寂しそうに胸の内を語る。

「それが一番以外の扱いなのかと…。精神的なダメージを感じた」

しかも今年はさらにひどく、「赤穂(あこう)君」と全く別人の名前を呼ばれたそうだ。土井選手は「イラッとを通り越して悲しくなりましたよね。はは…」と自嘲気味に笑っていた。
アクシデントで「あわよくば」という年もあったが

土井さんは身長180センチ、体重135キロの屈強な体格。しかし大学在学中から腕相撲を両手で挑んでも室伏選手には勝てず、女の子みたいに扱われてしまったと明かす。

そんな土井選手にも、2002年の「スーパー陸上」で絶好のチャンスが訪れる。悪天候を得意とする土井選手は、雨が降るなか自己ベストを更新した。

一方の室伏選手は39度の高熱。「あわよくばイケるんじゃないか…」と期待がよぎった。しかし、いざ室伏選手が投てきすると、よろけながらも土井選手のベスト記録を超え、堂々の1位。土井選手の夢はあっけなく散った。

「自分の中では、神風吹いたつもりだったんですけどね。返り討ちですよ」

土井選手は、ここまでくるといっそ清々しいという表情で笑っていた。しかも日本ハンマー投げ界の歴代記録は、土井選手は3位で、2位は室伏宏治選手の父、重信さん。「誰も知らない」を検証するまでもなく、「室伏親子の壁は厚かった」という結論で終わった。
知名度や順位だけが価値ではない世界もある

絶対的王者のいるスポーツといえば、吉田沙保里選手のいる女子レスリングも思い浮かぶ。しかし、レスリングは階級を変えることができるが、土井選手は変えようもない。「くるくる回って鉄球を飛ばすだけ」という武井は、浜ちゃんに「悪口やで!」と突っ込まれていた。

インタビューは、勝てずともひたむきに頑張る土井選手の心情を聞き出すのかと思っていたが、結局は圧倒的な実力差と室伏選手の異常な強さを再確認するだけの話であった。2位でも十分すごいことは皆が認めるところだが、改めて「1位じゃなきゃダメなのか」と感じさせられた一幕だった。

ただ、組織のような人間の集団においては、2番もいれば3番もいて組織全体が成長することもある。個人の知名度や名誉だけが価値でない世界があることも、ここで確認しておきたい。

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