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ほかの国ではどうなっているの?

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 前回までわが国の商標法についてご紹介いたしました。海外ではどうなっているのでしょうか?今回は中国に焦点をあててみたいと思います。

 中国の商標出願件数は2000年に22万件程度だったのが、急速に増加し、2013年には約190万件に達しています。2013年の出願の内訳をみると、約190万件のうち92%にあたる170万件は中国国内における出願ですが、8%にあたる15万件が外国出願、3%にあたる5万件が国際的に保護が拡張される制度への登録となっています。
 このように中国の商標は中国国外においても影響を持つようになってきているため、それらを理解しておくことは非常に重要であるといえます。

 中国において商標を保護する法律は「中華人民共和国商標法」といい、1982年に制定された比較的新しい法律です。2013年に3回目の改正が行われて、現在に至ります。

 中国の商標については次の原則があります。

(1)同一商品または類似の商品について、同一または類似する商標を登録出願した場合は、先に出願された商標が登録される(先願原則)
(2)商標は登録によって法律的な保護をうけることができる(登録原則)
 中国においては、商標として保護されるものとして、従来、文字、図形、アルファベット、数字、立体的形状、色彩の組み合わせの要素から構成されるものが対象とされていましたが、3回目の改正において、音声商標も対象となっています。このあたりはわが国の商標法と似ていると言えるでしょう。
 音声商標を登録する際には、提出する音声のファイルの大きさやフォーマット形式など細かい手続きが定められていますので注意が必要です(改正商標法実施条例第13条等)。

 また、改正後の商標法では、商標を登録した者は、登録商標を使用する義務を負うという規定が追加されました(改正商標法64条)。
 商標登録後、3年間不使用の場合、第三者は3年間不使用であることを理由に商標の取り消しを請求することができるように定められています(改正商標法49条2項)。
 従来までとは異なり、商標は登録だけではなく、実際に使用しなければ保護されないようになりましたので、中国で商標を登録する人は、商標を使用しているという証拠を常に集めておくのが望ましいと言われています。

 さらに、悪意による商標権の侵害については、実際の損害額の3倍までの範囲で損害が認められる懲罰的賠償制度が導入されています。法定賠償金も300万人民元と以前よりかなり多額となっています。

~連載を終えるにあたって~
 このように国によって制度は様々です。これまでご紹介した特許権や著作権、商標権などの知的財産権は国境をまたがって問題になる可能性を秘めています。知的財産を巡る法律や制度を良いものにするためには、多くの人が関心を持っていただくことがとても大切だと考えています。
 この連載が、皆様の知的財産への興味に対してほんの少しでも貢献できれば幸いです。長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。

元記事

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