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安心できる介護施設を見分けるポイント 近所からの評判も重要

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 川崎市の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で、2か月の間に3人の入居者がベランダから転落死していたことが発覚。施設では、虐待が常態化していたとされ、転落死に関与した疑いのある職員がいることも報じられた。

 介護の現場に対する不安が募るばかりだが、介護事情に詳しい健康社会学者の河合薫さんは言う。

「相手を傷つけてやろう、どうせ弱者なんだから乱暴してやろう、なんて悪意を持ってこの業界に入ってくる人は、本当にごくごくわずか。ほとんどの人が、誰かの役に立ちたいと思っています」

 そうであると信じているからこそ、自分や親が入居するなら、より環境がいい施設に入りたいと思うのは当然のことだろう。

 では、施設選びに失敗しないためにはどうすればいいのか。介護ジャーナリストで情報サイト「All About」ガイドの小山朝子さんは、「第二の人生を左右する老人ホーム選びは慎重に」と言い、「まず、自分が何を求めているかを明確にすることが大切」だと話す。

「“とにかくどこでもいいから入りたい、入れてほしい”と焦る人もいると思います。でも施設ありきではなく、まず、自分や家族がどのくらいの期間、どういうケアを望むのかを明確にすることが大切です。事前にその希望を箇条書きにすると良いでしょう」

 ひとくちに高齢者施設といっても、民間施設の有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅から、医療法人や社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームなど、その種類はさまざまだ。

 受けられる介護や医療サービスなど施設によって異なるので、入居した後に何を望むのかを精査しておかないと入居後のトラブルの原因になる。

 そして、施設を決めるときは「必ず見学に行ってください」と小山さんは続ける。

「パンフレットやHPの見た目だけではいい施設かどうかわかりません。介護施設の場合は、有名で高額なら安心ということはありません。逆に、小さい施設で広告を出していなくても素晴らしいケアをしてくれるところはあります」

 見学に行ったら、どんなところに気をつければいいのか。チェックは、施設に行く前から始まっている。

「見分けるポイントのひとつは、地域に開かれていることです。近隣の住民やタクシーの運転手、近くの店舗などに聞いてみるのも一案です。“何をやっているのかよくわからない”という場合は地域になじんでいない可能性もあります。また、“職員の怒鳴り声が聞こえる”などの情報があれば、入所を再考したほうが良いかもしれません」(小山さん)

 施設の見学では「におい・入居者の部屋・共有スペースの壁」に注目したい。

「においはとても大事で、施設の廊下など共有部分で排泄物のにおいがしたら衛生管理に問題があったり、居室のドアを開けたまま排泄介助をするなど、プライバシーが守られていない可能性もあります。また、最近は肺炎などの原因になるからと、口腔ケアを重要視しているのですが、入居者と話をしたときに口臭がするようならそれを怠っているかもしれません。共有スペースの壁に職員の顔写真などが飾ってあるか、苦情ボックスが設置してあるか、家族との懇親会が行われているかといった点は、施設が利用者や家族のことを考えているかどうか推察するポイントになります」(小山さん)

 館内を見て回るときに、入居者の部屋の様子も見せてもらうと、そこにもチェックポイントがある。

「自分の持ってきた家具を継続して使える施設も多いのですが、お部屋を見ればそれが可能かどうかがわかります。たとえば、部屋の壁に好きな歌手のポスターが貼ってあるとか…介護が必要でも、その人らしさを失わずに過ごせるかどうかも大切なポイントです。以前見学させていただいた施設では、元ピアニストで認知症のかたが共有スペースでピアノを披露し、元農家の女性はホームの前にある菜園で農作業をしていました。これまでの人生を尊重したケアを行っている施設が理想的です」(小山さん)

※女性セブン2015年11月19日号


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