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独裁政治への加担!?「日本式教育」輸出の危険性!

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「日本式教育」は本当に輸出する価値があるのか?

文部科学省では、ODAなど経済支援に代わる対外協力策として、人材育成や教員研修など、教育面での支援を検討してきました。来年度には経済産業・外務の各省、JICAやJETROなど独立行政法人、自治体、学校法人、NPO、教育関連企業などオールジャパンで「日本型教育の海外展開官民協働プラットフォーム」(仮称)を立ち上げ、本格的に始動する予定です。

クラス内で役割分担する掃除や給食、集団で練習を重ねる運動会や部活動、全員参加の防災訓練などは、日本独特の学校文化が協調性を育むとしてサウジアラビアやアラブ首長国連邦、エジプトなどの中東産油国で高く評価されています。また、ミャンマーやインド、ベトナム、モンゴルなどのアジア諸国からも「道徳心や規律を養うために日本式教育を採り入れたい」といった要望が寄せられているそうです。

「教育分野で日本の存在感を示したい」と文科省は意気込んでいますが、日本型教育に関心を示している国の多くは政治体制に課題があり、日本式の協調性や規律を導入したい理由を考慮する必要がありそうです。果たして、「日本式教育」は本当に輸出する価値があるのでしょうか。

輸出に興味を示す国は独裁国家の傾向が

イギリス・エコノミスト誌傘下の研究所が毎年発表している民主主義指数(Democracy Index)は、世界167カ国の民主主義の成熟度を10点満点で数値化し、「完全な民主主義」から「独裁政治」まで4段階の政治体制に分類しています。2014年版では1位がノルウェー(9.93点)で、以下スウェーデン、アイスランド、ニュージーランド、デンマークと続き、上位10カ国中8カ国を欧州が占めています。

アジアでは日本が最高の20位(8.08点)で韓国が21位と、いずれも「完全な民衆主義」と認定されています。日本式教育に関心を示している7カ国のうち、インド(27位・7.92点)とモンゴル(61・6.62)は上から2番目の「不完全な民主主義」に分類されていますが、その他のサウジアラビア(161・1.82)、アラブ首長国連邦(152・2.64)、エジプト(138・3.16)の中東3カ国とミャンマー(141・3.05)、ベトナム(130・3.41)はいずれも4段階で最低の「独裁国家」と判定されています。

日本式教育が民主主義対応を抑えるために利用される恐れが

サウジアラビアは王家による絶対君主制で、厳格なイスラム教義を根幹とする政教一致体制です。アラブ首長国連邦の7つの首長国は世襲の首長による、絶対君主制に基づき統治されています。エジプトでは2011年の総選挙後に新大統領の出身母体であるムスリム同胞団とリベラル・世俗勢力の間で対立が深まり、軍が介入して暫定政府を樹立しています。ミャンマーでは2010年に総選挙が実施され民政移管が実現しましたが、議席の25%が軍人に割り当てられ野党が選挙をボイコットしたため、実質的には軍政支配が続いています。ベトナムの統治体制は共産党による一党独裁で、共産党の中央委員会書記長、国家主席、首相の3人を中心とした集団指導体制です。

これら独裁国家では、秩序や規律を育むとされる日本式教育が、国民を統制して民主主義の台頭を抑えるための都合良い「錦の御旗」として利用される恐れがあります。戦後は大きな政治対立もなく国民一丸となって復興に集中し、昭和の高度経済成長を支えた従順で勤勉なサラリーマンを大量生産するには、「静かに座って先生の話を聞く」集団画一教育が効率的であった日本とは社会的背景が異なるのです。日本の基本理念である自由、人権、民主主義に反する体制を間接的にも支援することになるのは、文科省も望むところではないでしょう。

(小松 健司/個別指導塾塾長)

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