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オリーブオイル、ワインと並んで古代ローマの料理に欠かせなかった「ガルム」とは?

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かつて地中海世界を支配するほどに、強大な勢力を誇った古代ローマ。その豊かな食文化は後世のヨーロッパに多大な影響を与えたといわれています。ところで、古代ローマではオリーブオイル、ワインと並んで、「3大交易品」のひとつと言われていた万能調味料があったことをご存知ですか?

ローマ市民の食卓に欠かせない「ガルム」

古代ローマでは「ガルム」という名前のソースが、市民の食卓に欠かせない万能調味料でした。ガルムとは何かというと魚醤(ぎょしょう)、つまりナンプラーの一種。塩漬けにしたサバやタイなどを数ヵ月以上かけて漬け込み、麻の布でろ過した液体のことで、歴史に残る最古の魚醤はこのガルムだといわれています。ポンペイの遺跡には、ガルムの製造工場跡が現在でも残っています。

古代ローマの料理本にも頻繁に登場

帝政ローマ期に名を馳せた美食家にマルクス・ガビウス・アピシウスという贅沢好きの料理人がいました。彼が記したとされている料理書にはガルムが頻繁に登場します。古代ローマ唯一の料理書である『アピシウス』には「赤いボラを一番おいしく食べる方法は、調理する前にガルムに漬けておくこと」という記述をはじめ、ほとんどのレシピにガルムが使われています。ガツンと強烈な旨味と塩気を持つガルムは庶民のあいだでも好まれ、当時は甘い調味料といえばハチミツ、塩気がある調味料といえばガルムというのが一般的だったようです。

他の魚醤と同様に、魚介を塩漬けにして作るガルムは、天然の旨味成分であるグルタミン酸をはじめ、ミネラルやビタミンBなども豊富であったことから、栄養品として重宝されていました。他国との争いが多かった当時、水で薄めたガルムはケガや病気に効く薬とされ、軍隊に供給されていたそうです。

東南アジアのイメージが強い魚醤ですが、古代ローマ人にとってもガルム=魚醤は必要不可欠な日常の調味料であり、万病に効く薬だったのでしょう。
参考文献 『だし=うま味の事典』 星名桂治 栗原竪三 二宮くみ子

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