歩きスマホを続けると椎間板ヘルニアになる!?

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歩きスマホを続けると椎間板ヘルニアになる!?

 あなたは「座りっぱなし症候群」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これはデスクワークをはじめとして座っている時間が長い人が陥りがちな不調の総称で、頭痛やむくみ、ひどいケースだとエコノミークラス症候群に似た症状を訴えるケースもあるという。
 デスクワーク中心の人にとって、座っている時間そのものを劇的に減らすことは難しいが、せめて座り方を工夫するなどして健康を保てないものだろうか。

 そこで参考にしたいのが『長く健康でいたければ、「背伸び」をしなさい』(サンマーク出版/刊)。本書は、座り方を含め「正しい姿勢」をとることで健康になれるとする一冊。著者である仲野孝明氏は、整体、カイロプラクティック、鍼などの方法を用いながら、0歳から108歳まで様々な年齢層の人たちの様々な症状を「姿勢を正す」ことによって治癒してきた。
 仲野氏が現場で見てきた実例を通して、姿勢が健康に与える影響を中心に話をうかがった。今回はその後編である。

――前半で「身体にとって、ずっと同じ態勢をとり続けることは負担が大きい」というお話がありました。電車に乗っていると、一見健康そうな若者なのに、ずっと立っているのが辛そうで、すぐ何かに寄りかかろうとする人を見かけます。これは何が原因で立つことを辛く感じてしまうものなのでしょうか。

仲野:様々なケースがあるので一概には言い切れませんが、もっとも可能性が高いのは、足をうまく使えていないケースです。話を分かりやすくするために、少し極端な例を出しましょう。電車のなかに裸足で立ったとします。すると、靴を履いて立ったときにくらべ、疲れ具合はまったく変わってきます。なぜだと思いますか?

――靴が足を圧迫してしまうからではないでしょうか。

仲野:そうです。ありがちなのは、靴と足の形が合っていないケースです。靴のなかで足の指を曲げた状態のまま立ち続けているために、身体にかなりの負担をかけてしまっているんです。たとえば逆に、シャワーを浴びているときというのは、足が指先まで伸びきった状態で立っている。この感覚のまま立つことができれば、「立っているのがしんどい」とはならないでしょう。
靴以外に、服が体型に合っていないというケースもありますね。いずれにしても、身体のどこかが不自然な状態のまま立たされると、身体全体的に歪みが出てしまいます。歪みがあると、身体の軸がぶれてしまい、最終的に「何かに寄りかかる」という現象としてあらわれるんです。肌感覚ではありますが、最近、そのように歪みが出てしまっている人は増えていると思いますね。

――それでは他に、仲野さんが街中を歩いていて、目にとまる光景はありますか。

仲野:東京で地下鉄の駅から地上に上がろうとすると、たまにとても長いエスカレーターに遭遇することがありますよね。そういうとき、ついエスカレーターの右側と左側にどれくらい人がいるかの比率が気になってしまいます。普段からこまめに運動をしている人だと、苦もなく、というかむしろ喜んで右側を歩いてのぼっていく。それに対し、ぐったりとした感じで左側にとどまる人がいます。長めのエスカレーターを下から見上げた瞬間、「歩きたくないな」と思ってしまう人は、何かしら身体が問題を抱えていると思ったほうがいいでしょう。その意味で、エスカレーターの左右の比率を見ると、どれくらいの人が不健康なのかが分かっておもしろいですね。

――本書でも身体を動かすことの重要性を説かれていましたね。

仲野:小学校や中学校のとき、必ず週に1コマか2コマは「体育」の時間がありましたよね。成人後も、あれぐらいの頻度とボリュームで身体を動かすことをおすすめします。少しでも身体を動かせば、「前よりも肩が上がらなくなった」とか「走れなくなってきた」とか、何かしら身体の変化を感じて「このままじゃマズいな」と思うはずですから。マズいと思って運動を習慣化すれば、身体の衰えを鈍化させることはできます。逆にいちばん危険なのは、ろくに運動もせず、危機感もおぼえないまま老後を迎えてしまうこと。やっと自由な時間ができたと思ったら、今度は身体の自由がきかないということになってしまいます。

――毎週、一定の時間を「体育」に充てるとなると、ライフスタイルの問題にも関わってくるように思います。その点で本書に出てくる「歩きスマホが姿勢を悪くする」という話には、とても驚きました。

仲野:歩きスマホをしているとき、人は頭が前に傾いて体幹を使えない姿勢になってしまいます。これが習慣化してしまうと、壁を背に真っすぐ立とうとしても、背中や頭を壁につけることができない身体になる。すると、最悪、椎間板ヘルニアになってしまう危険性すらあるんです。 スマートフォンにかぎりませんが、何か自分の身体に悪影響を与えている習慣があるなと気づいたら断ち切ってみることは大事だと思いますね。

――最後に読者の皆様へメッセージをお願いします。

仲野:この本を読むと「こんなことで変わるのか」と思われる方が多いかもしれません。でも、電車に乗ったとき、椅子に座ったとき、少しだけ姿勢をよくしてみる。ちょっとした空き時間に背伸びをしてみる。たったそれだけのことでも積み重ねていくことで、身体は確実に変わっていきますよ。

(了)


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