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ひっそり酒場だけに、知らぬ福岡ッコも多いはず。 ここが、焼き鳥天国福岡の虎の穴!

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昭和のムードが風に揺れる赤提灯。

そのボロボロ具合までも色気に変えてしまうのが、いい酒場の証。

酒場では、常連客と女将が共犯のごとく繰り広げる人情的な掛け合いが最高の酒の肴となり、気の利いたコメントなんか必要ナッシングな“気楽飯”の温かみが胃に染みます。

お行儀のよい食事マナーなんかはいりましぇん。けれども。

カウンターで見知らぬ人たちと酒を酌み交わす勇気と最低限の礼儀は持って行きたいですね(大人として)。

いい酒場には、それはそれはウマそうに酒を飲む人が集まるもの。そんな人たちと盃を酌み交わすのがウマい酒、てなもんです。後は流れに身を任せて酔っぱらえば、いい気分♪ というわけで、嫁ちゃんゴメンちゃい。夕闇に灯る赤提灯の色っぽいお誘いに理性が抑えれまへんでした。一杯ひっかけて帰りや〜す。

てことで、ライターの松鵜です。

県外の方からは「テキトーに入った店でも旨いのが福岡」なんて褒めてもらうことも多いのですが、どんな店に行ったのかを聞けば、どこも洒落た店。

「てやんんでい!テキトーやないやん! ちゃっかり見た目で選んどるやん」となること、しばしばです。

ただ、確かに福岡には案外少ないと思うんです、流行と逆行する古き良き酒場というものが。だから、地元民であるからこそ知り得る虎の穴を教えます!!

店があるのは平尾。「西鉄平尾駅」から徒歩2〜3分の場所です。駅の改札口を出たら、一本北に走る道を目指してください。「平尾」交差点を左に曲がれば、赤いサンルーフの店が見えてきます。

店の名前は『山勝』。桃井かおりさん似の美人女将がひとりで営む焼き鳥酒場です。(失礼を承知ながら)屋台に屋根がついたような小さなお店で、店内は7〜8人が腰掛けられるカウンターのみ。「THE酒場」な匂いが、たまらなく漂っています。

店のはじまりは、およそ30年前。もともとは平尾駅近くに初代の女将が店を構えていたらしく、その時は手羽先専門酒場だったそうです。店を今の場所に移して20数年、今は林琴美さんが三代目マドンナとして店を切り盛りしています。

ハイ、ここで 注目!!!!!!!!!!

お品書きに目を通すと、焼鳥の値段に思わずニンマリ。

『手羽先(150円)』『豚足(300円)』と一部の巻物以外は全部100円なのでございます。この価格は焼鳥屋として営業をはじめた当時から変わっていないそうで、お通しも200円とサービス価格。ついでに、お通しのボリュームも気持ちいいくらいたっぷり。

「ケチケチしてたら、お酒がマズくなっちゃうでしょ」とあっけらかんとした口ぶりで言ってくれますが、今の時代、そんな良心的な店はなかなかございませんよと、心の涙がホロリ。これぞ酒場の女将の鏡ってもんですな。

てなわけで、これは焼酎のボトルキープでもしてりゃあ、ポケットの中の小銭で飲めちゃいますね。いよっ、太っ腹!

お通しは、『スペゲティサラダ』や『ナスの味噌和え』『自家製ピクルス』など、いわゆるお袋の味。味付けも優しく、まずはこれでビールを一杯。連れが一緒だと別々のおかずを分け合えるから、ちょっとお得な気分ですね。

おっと、福岡の焼き鳥屋ではおなじみのキャベツも忘れずに。

さてさて、お安いだけじゃあ名酒場とは呼べませぬ。と、ここで、いい感じに炭火の匂いが立ちこめてきましたので、いざ焼鳥の話。

この店の焼鳥は「小手先じゃない、愛情で焼くんだ」と言わんばかりに、いたってシンプル。いい肉を揃えて、食べやすい大きさにカットしたら、あとは塩を降って焼くだけ。

おいしい頃合いは長年の勘がお知らせしてくれるってわけで、「こちょこちょと伝えるような秘伝の技なんてないよ(笑)」と女将。強いて言えば、肉のおいしさを信じることが秘訣なのだと教えてくれます。

肉の仕入れは、通りを挟んで向かいにある精肉店から。この精肉店は地元でも評判が高く、肉質の良さは折り紙付き(私も毎日通っています)。

「しからば」といただいてみると、これがウマいのなんの!! 一串200円を超える高級焼鳥店に引けを取らない上物です。

例えば『ネックの身』。ほどよい弾力の肉は噛むほどに汁がこぼれてきて、鶏の自然な甘味が広がります。

続いて『豚バラ』。脂身に旨味がのっていて、カリッと焼けた香ばしさにビールが止まりまへん。

そして、看板メニューの『手羽先』。こんなにふっくら柔らかい手羽先を食べたのは初めてで、炭香が、もはや調味料の一種と言っても過言ではないほどに魅惑の香りをプラスしてくれています。手羽先だけをひたすらに食べて帰るお客もいるという話にも納得です。

ほかにも、トロりとクリーミーな『鳥きも』や、さっぱりポン酢に柚子胡椒を添えていただく『豚足』なんかも人気だそうです。

なるほど、創作焼鳥なんてのもいいけど、やっぱり焼鳥はシンプルないつもの味がベスト。この店の焼鳥のおいしさは“贅沢な庶民の味”の見本のような気がしますな。

さぁて、気が付けば常連客で賑わってきました。奥の席は予約で埋まって、18時前にして満員御礼。「何?取材やってんの?、、、って本当は、昨夜、女将から聞いて知っとったんやけどね、でへっ。で、写真に映るために髪を整えてきたとよ(笑)」なんて、気さくなノリの常連さんをカメラでパチリ。酒場が飲食だけの場になりつつある今の時代に、人との交流の大切さを感じさせてくれる、よか店です。しみじみ。


お店情報

焼鳥 山勝(やまかつ)

住所:福岡市中央区平尾2-14-21
電話:092-521-7324
営業:17:30〜22:30OS(なくなり次第終了)
定休日:土曜、日祝日


書いた人:
マツータケシ

福岡在住。某出版社を経て、フリーのカメラマン&ライターとして活動中。好きな言葉は「一日三度のメシ」。福岡の安くてうまい穴場を発掘することにはまっている。

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