体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

新聞はデジタル化の流れに? 新聞とネットの過去・現在・未来

月刊誌『ジャーナリズム』編集部の(右から)服部桂氏、伊丹和弘氏、徳山喜雄氏

 朝日新聞社発行の月刊誌『Journalism(ジャーナリズム)』の編集者や執筆者が集い、視聴者とともに議論する番組の2回目が2011年6月14日、ニコニコ生放送で放送された。番組の後半は「大震災とネットメディア」というテーマだったが、話は新聞社のインターネット利用の経緯から現在、今後の見通し、さらにソーシャルメディアとの比較に発展。「自分たちは朝日を代表しているのではない」という前提で、番組に出演した『ジャーナリズム』編集部の服部桂氏(写真右)は、「新聞社全体が今後はデジタルに」という方向性でやっていると話した。一方で、新聞とネットの安易な比較論については「どちらが良いかという論議をしても始まらない」との見解を示した。

 服部氏によると、朝日新聞のニュースサイト「asahi.com」は1995年、紙の新聞に載っている記事をネットにも流す目的で発足した。『ジャーナリズム』編集部の伊丹和弘氏(写真中央)は「最初はネットメディアで儲けるつもりはなかったと思う。読者サービスというところから始まった」と話し、一方で紙の発行部数の減少とともにネット媒体でも収益を上げる必要性が出てきたと説明。独自コンテンツを出したり、日刊スポーツと携帯サイトを立ち上げるなど試してきたという。伊丹氏は「何が正解か分からない中で、今は走りながら、いろいろ考えている状況」と話す。

 そんな中、朝日新聞社は先月18日に電子版サービス『朝日新聞デジタル』を創刊した。服部氏によると、「新聞社全体が今後はデジタルにいくんだよ、ということでやっている」とのことで、『日本経済新聞 電子版』に次ぐ本格的な「デジタル新聞」のスタートと言えそうだ。

 またインターネットの利点について服部氏は、「皆さんの声が聞こえるところ。ニコ生のコメントもそうだが、自分の言っていることがどう思われているかが分かる」と指摘。それによって、新聞記者が市民の感情とのズレを認識することにもなるとし、「痛いコメントもあるが、全く無いよりもあった方が良い」と肯定的にとらえた。

 さらに服部氏は、”横に情報をシェアする”インターネットの特性と、”縦に情報が流れる”新聞との違いを指摘。ツイッターなどは「デマもあるが、間違った情報が固定化せずに正すことができる」と述べる一方で、新聞は「情報源を確認し、自らの責任において発信する。多様な情報を集めた上で『これだけ読めば今日の話が分かりますよ』と加工し、視点を提示することによって付加価値を与え、対価を得ている」と分析した。そして

「情報という意味では同じだが、処理の仕方、プロセス、結果が違う。新聞とネットは方向性の違うメディアであり、どちらが良いかという論議をしても始まらない」

と見解を示した上で、

「今後、ジャーナリズム自体の定義が変わってくる。メディアの手法自体が変わっていくことで、伝え方も変わるし、いろんな人の視点が入ることで、真実という基準も違ってくるだろう」

と、新聞を含む各メディアがさらなる変化・対応を求められていくことを、個人の予測として述べていた。

丸山紀一朗

1 2次のページ
ニコニコニュースの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
GetNews girl / GetNews boy

オスカー2018年晴れ着撮影会