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第88回アカデミー賞美術賞、『スター・ウォーズ』『ブリッジ・オブ・スパイ』ほか数々の優れた作品による厳しい賞レースになる見込み

エンタメ 映画
Production Design Oscar Race 2015

第88回アカデミー賞は、時代映画、ファンタジー映画、現代映画などの優秀な候補作が競合する厳しい賞レースになるだろう。

特に、第88回アカデミー賞美術賞のレースは、またしても凝った時代作品、ファンタジー全開の作品、また、数本の目立った現代的な作品で占められている。今回の候補作は、1820年代のアメリカの荒野から火星、さらには、はるか彼方の銀河まで観客を連れて行ってくれる。その結果、アカデミー賞美術賞は、広範囲の分野をせまく絞りこまねばならなくなるようだ。

時代作品は、今シーズンでは特に注目を集めそうだ。『The Danish Girl(原題)』は、アカデミー賞の主要カデゴリー部門での主力候補になるかもしれないし、そうではないかもしれないが、同作の中で、トム・フーパー監督(『英国王のスピーチ』で第83回アカデミー賞監督賞を受賞したことで知られる)は、アンティーク調のある種の世界の映画に独特の生命力を与える美学のために、プロダクションデザイナーのイヴ・スチュワートと共に再びチームを組んだ。ゲルタ・ウェゲナーが描いた作業空間や、医療病棟など年代ものの撮影セットの装飾の細部にいたるまで、同作は全体的に確固とした美術映画である。

『The Danish Girl(原題)』の出来事より1世紀前に起こったのは、ヒュー・グラスの開拓の偉業を描いた『レヴェナント:蘇えりし者』という作品だ。偉大なジャック・フィスクは、ネイティヴ・アメリカンの装具や装飾と、自然のままの開拓地を再現した風景を任された。近年の『ニュー・ワールド』や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のような映画でのフィスクの仕事をふまえると、素晴らしい選択だった。『レヴェナント:蘇えりし者』でのデザインは、アカデミー賞美術賞のカテゴリーでは他の作品ほど豪華ではないかもしれないが、同作での細部にわたる装飾は賞レースの中で独特なものとなるだろう。

今年度の映画の数本は、1950年代や1960年代の風景を背景として使っている。『Brooklyn(原題)』と『キャロル』は、特に、1950年代のニューヨークの2つの全く異なる体験をさせてくれる。フランソワ・セギュアンによりデザインされた『Brooklyn(原題)』は、目立つ色と生き生きした美学で移民の肉体労働者のストーリーを描いた(いくつかのシーンはアイルランドでも撮影された)。また、アカデミー賞にノミネートされたジュディー・ベッカー(映画『アメリカン・ハッスル』で知られる)による丁寧な作品である『キャロル』は、富裕層で金銭的に潤い、優美さを備えた資産家の世界を描いた。

その一方で、『ブリッジ・オブ・スパイ』は、観客をニューヨークから、冷戦の絶頂期であったこの時代の東ドイツまで連れて行く。スティーヴン・スピルバーグ監督は、アカデミー賞受賞者のアダム・ストックハウゼン(映画『グランド・ブダペスト・ホテル』で知られる)を同作のプロダクションデザイナーに任命した。神聖な殿堂であるアメリカ本土の法廷と、冷たく風化した東欧圏の装飾品の両方を、同じような冷静さで具体化している。

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