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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は第88回アカデミー賞作品賞にノミネートされるのか?

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FURY ROAD

10月19日(現地時間)の週、米ワーナー・ブラザースが『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を2016年第88回アカデミー賞作品賞候補作に一押している、という見出しがインターネット上で多数急浮上した。この勢いは、米ワーナー・ブラザースが毎年アカデミー賞へ向けての候補作を掲載するサイト、フォー・ユア・コンシダレーション(for your consideration)上で、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が全部門において掲載されたことから分かる。

もちろん、この慣習は何も新しいことではない。『Our Brand Is Crisis(原題)』が、『ブラック・スキャンダル』と『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の後を追ってこのサイトに加わるだろうし、12月に米公開予定のロン・ハワード監督による『白鯨のいた海』も確実にサイトに掲載されるだろう。毎年、このサイトに掲載することで、アカデミー賞獲得のために候補作を大きく宣伝していたわけだが、近年は、米ワーナー・ブラザースはさらに突進を開始し、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー監督とシャーリーズ・セロンの記者会見サーキットを行い、同作の素晴らしさを業界にあらためて(今までの記者会見サーキットでは見たことのなかったような経験で)認知させようとした。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の米国内での興行収入は1億5300万ドル以上(全世界での興行総収入は3億7400万ドル)に上り、今年最もきわめて称賛された映画として、非常に有力なアカデミー賞作品賞候補作だと言える(映画評価サイトのロッテン・トマトで97%も“新鮮”という評価がされ―トマトが新鮮か腐っているかで作品を評価する―、レビュー集積サイトのメタクリティックにおいても89の高スコアを出した)。疑問なのは、米ワーナー・ブラザースが、このような臆せず型にはまらない作品に居場所を見つけられるかどうかだ。

アカデミー賞のノミネートの段階で、情熱はとても大事かもしれないが、賞レースで票を呼び集めるために実際に基本となるものが存在している。例えば、エドガー・ライト(今年新しく映画芸術科学アカデミー会員の仲間入りした)のような映画プロデューサーは、アカデミー賞シーズン中に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を強く後押ししている。そのうえ、同作のフェミニストの雰囲気が、女性による物語が多数を占めている中で今年注目される目玉となっている。

カンヌ国際映画祭での初公開で、5月に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を見た時の最初の感想は、アカデミー賞において、素晴らしいスタント映画だと認めさせる作品だろうということだ。ミラー監督とチームによるカメラワークが特に素晴らしく、開いた口がふさがらなかった。そして次の感想は、もしアカデミー賞作品賞の選考委員たちがこの熱狂についていけなかったとしても、おそらくアカデミー会員の監督たちは、経歴の長さがアイコンとなっている70歳のミラー監督が成し遂げたことへ畏敬の念を抱くだろうということだ。

週末にかけて行われた、本紙ヴァラエティのジェネル・ライリーの司会進行による質疑応答の中で、ミラー監督は、以前一緒に仕事したジャック・ニコルソンと、一番辛い仕事は俳優側か監督側ということについて議論した思い出について語った。ミラー監督は、ニコルソンが「俳優」と答えたことに最終的に同意したという。そして、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のシャーリーズ・セロンとその他の出演者たちを称賛し、このような類の映画には「厳格と奔放の相互作用」が必要だと語った。

しかし、セロンは同意せず、「私は断固として、断然、監督が一番大変な仕事だと思う」 「本音を言うと、とても普通じゃなかった。これが監督が作りたかったことだと思うが、皆が、できる方法はないと言っていた。しかし、監督は忠実に行うことを決めていた。そしてそれは本当にとても大変な事だった。この映画を見たとき、まるで画家のジャクソン・ポロックの作品をみているようだった。全てのキャンバスに監督の親指の指紋のあとを見て取れる」と、答えた。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、実際に、第88回アカデミー賞レースの中心にいると思う。同作は、アカデミー賞において最も活気に満ち、なおかつカオスに溢れた表敬のメッセージが込められたものだ。結局のところ、製作の困難の程度が明確な物差しとなる。情熱的な基本となるべきものを持っているスコット・クーパー監督の『ブラック・スキャンダル』に関しては、アカデミー賞の興奮を引き起こすものではないが、米ワーナー・ブラザースが望むかなり素晴らしい作品性質がここにある。米ワーナー・ブラザースは過去12年間に、作品賞を3度受賞したことを含め(『ミリオンダラー・ベイビー』、『ディパーテッド』、『アルゴ』)、アカデミー賞のトップカテゴリー10部門を獲得してきた。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、第88回アカデミー賞を獲得するのに十分な燃料を積んでいるだろうか? あるかどうかにかかわらず、少なくとも私たちはサイトで投票することができる。


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