体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

セルビアの欧州No.1フェス「EXIT」が魅せる光と影

DSC04669

Photo credit: KANA「【セルビア女子一人旅 旅行記】ベオグラード&ノビサドの音楽フェスへ

TRiPORTライターのKANAです。
2015年7月8日、私はセルビアの北方の都市、ノヴィ・サドへと降り立ちました。とある世界的に権威のある音楽フェスを目指して。 セルビアといえば、長い間紛争が繰り広げられていたバルカン半島に位置する国家。街のところどころにその傷跡が残りますが、 現在は、夜でも女性一人で歩けるほど治安が良いです。

美しい遺跡や教会の数々、街にはお洒落なオープンカフェが並び、特に首都ベオグラードのナイトライフ文化はヨーロッパの中でもトップクラスの盛り上がりをみせています。そう、今や若者に人気の街となっているのです。

中でも一年に一度、 世界中から大勢の人々が熱気と興奮を持ってセルビアにやってくる時期があります。 それが、2013年、2014年にヨーロッパベストフェスティバル賞を受賞した、国際的ミュージックフェス「EXIT」 。

近頃は世界中で大規模な野外音楽フェスがブームとなっていますが、 このEXITは他の商業的なフェスとは少し…、いや、かなり違います。EXITが開催されたきっかけには、ある悲しい歴史があるのです。

EXITがはじまった裏側の真実

DSC04710

Photo credit: KANA「【セルビア女子一人旅 旅行記】ベオグラード&ノビサドの音楽フェスへ

十数年前まで紛争状態にあったセルビア。その混乱の間、人々は海外渡航の自由を奪われ、抑圧される日々が続いていました。そんな中、反骨精神を抑えきれなくなった大学生たちが立ち上がります。EXITを起こし、このフェスを通して政治変革を訴えていきました。

それが世界中に広まっていき、今年で15年目。今や国際的No.1フェスに成長し、苦労の末に渡航の自由も手に入れることができました。このような背景が他のフェスとは違う点です。フェスの裏には人々の思いの熱さがあるのです。

熱気立つ前夜の一時

DSC04521

筆者撮影

そのような歴史を知ってか知らずか、ここ数年EXITの盛り上がりは右肩上がり。世界中から若者たちが押し寄せ、連日一晩中お祭り騒ぎ。私は開催日の前日からセルビア入りしましたが、セルビアの首都ベオグラードからノヴィ・サドに向かう列車には、奇抜な髪の毛に派手な服装でフェスに挑む若者で満員状態。

前日の夜からノヴィ・サドに乗り込む人も多いのです。なぜかというと、前夜はまた違った楽しみがあるから。夜21時頃、ノヴィ・サドの中心街、スロボデ広場に行くと、そこではもうお祭りが開催されていました。明日から始まるフェスの様子が放映されるステージの前で、飲んで、踊って、気分の高揚を抑えられない人々の渦。ライトアップされた神々しい美しさを放つ聖なる教会の目の前で、爆音でかかるクラブミュージックとネオンの光の対比が不思議な光景を作り出しています。

小道に入れば、そこはまた不思議な空間。セルビア料理のお店や、怪しげな雰囲気を醸し出すバーやナイトクラブがひしめき合い、また小道を抜けると異なるステージが出現し、ここでも人々が飲んで踊っています。フェスの前夜は人々の興奮も最高潮に達してきています。

爆発する人々のエネルギー

DSC04759
1 2次のページ
Compathyマガジンの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。