アットホームってレベルじゃねえ!のんべえ達の秘密の魔窟!
まずはじめにお断りしておきます。
このお店は、素人にはオススメできません。
営業許可は取得しているものの、到底飲食店とは思えない店内。
濃すぎる客層。
独特の雰囲気を醸し出す女性店主。
自由すぎる注文のシステム。
この記事を読んで、軽い気持ちで足を踏み入れると、ヤケドしますぜ!
「スペースネコ穴」は地下鉄四条烏丸駅から歩いて5分ほどの距離にあるのですが、あえて詳細は伏せさせて頂きます。
店主タマさんのご意向で、記事を読んで、いっぺんに多くのお客さんが来られても…とのこと(恐縮です!)。
京都の一部のコアでディープな界隈の、知る人ぞ知るお店、というか、家?部室?寮?なんと説明すれば良いのかわかりません。
もし周辺に「コアでディープな界隈を知る人」がいらっしゃっる方は、一緒に連れて行ってもらうと良いでしょう。
ということで、異端のグルメレポートとなりますが「京都にはこんな変わったお店があるんだ」ということを皆様にお伝えしたく、京都在住7年目のライターmamitaがお届けします。
案内人&友人たちと共にいざ突入
「なんかスゴいディープなところがあるらしい」と噂にはきいていたネコ穴。私の友人がネコ穴の常連だそうで「是非一度行ってみたい!できれば取材もさせてもらいたいんやけど‥」と無理を承知でお願いしたところ「よし、みんなで行ってみようか!取材については俺が交渉してみる!」と頼もしく快諾。友人の粘り強い交渉のおかげで、なんとか取材もOKしてもらうことができました。
そんな経緯で、我々一行、ネコ穴に突入してきました。
案内人を買って出てくれた友人が居なければ一生辿りつけそうもない、猛者の集うハンター試験会場のようなお店です。
案内人の解説を元にレポートします。
早々に出来上がって上機嫌の案内人、植田元気くん。写真奥は常連さんです。
到底飲食店とは思えない店内
家…おばあちゃん家…いや年季の入った部室…それとも京都の某有名寮のような…
到底飲食店とは思えない店内は、謎の品々に溢れています。
溢れかえるカウンター。
半開きの引き出しからはみ出す何か。
山積みの何か。
そしてよく見るとギターの影にネコが。
「ネコ穴」という名前通り、お店にネコは一応いるのですが、いない時も多いそう。
猫カフェでは無いので、ネコには期待しないでください、とのことです。
あとネコの餌が落ちてました。
「今のこの店舗は、2箇所目やねん。数年前にココに移転して、もちろん前の場所でもこんな感じやったんやけど、移転して3日後にはすでにこの状態になってたらしい。ある意味すごいよな」(案内人)
自由すぎる注文のシステム
「飲み物は、一応タマさんに注文するけど、タマさんの手が空いてない時や、タマさんが潰れてる時は冷蔵庫から自分で出してくんねん。で、何杯飲んだか覚えておいて、お会計の時に自己申告してな」(案内人)
その説明通り、最初の1杯はタマさんに注文して出して頂いたのですが、2杯目以降はタマさんに「ビールもらいまーす」と声をかけると「今わたし手が汚れてるんで、自分でお願いしまーす」とお返事が。よし!遠慮なく冷蔵庫を開けさせてもらいます!
冷蔵庫の隣の柱には栓抜きが固定されているので、この栓抜きを使ってフタをあけてっと。
あれ、フタってどこに捨てたら‥‥…。
あ、床に捨ててある……。
い、いいよね、コレいいんですよね?
私も先人の常連さん達に習って遠慮なく床に捨てさせて頂きました。
これ他所でやったら怒られるやつですが、背徳感があって妙に気持ちよかったです。
勝手に出てくる料理
「料理はな、適当に出てくんねん。メニューとか無いし」(案内人)
店主タマさんが、その日の食材の状況や気分で出せるものを出す、出せるタイミングで出す、というシステムだそう(多分)。
田舎のおばあちゃん家に行った時のことを思い出します。
何かのお刺身(値段不詳)
特に説明もなく出てきた何かのお刺身。
何かのお肉塩コショウ味(値段不詳)
何かの肉。
ゆるゆると飲んでいると、店内に香ばしい匂いが立ち込め、というかなんかちょっと煙たい…?
何事かと見に行くと、店主のタマさんが炭火でサンマを焼いていました。
サンマの炭火焼き(値段不詳)すごく良い焼き目!すだちをキュットしぼって大根おろしとともに頂きます。
「これは日本酒だ」とにわかに色めきだつお客さんたち。
「日本酒のビンどこに置いてあったっけ?」
「そっちのテーブルの下じゃない?」
「あったあった、タマさん日本酒頂きます」
独特の雰囲気を醸し出す女性店主
今回の取材依頼に際しいくつか店主のタマさんから記事の内容にリクエストが。
「ネコ穴という名前ですけど、ネコには期待しないでください」
「食事にも期待しないでください」
「せっかく来て頂いても不定期で営業してない日もあります」
「開けてても私が不在の時もありますし…」
飲食店の常識をことごとく覆す女性店主。
それでも常連さん達は意に介すことなく、そんな自由さをむしろ面白がっている様子でした。
そのほか目についた店内の謎のもの
JR東舞鶴駅の時刻表
ちょっとこわい写真。おそらくお客さんが撮影したもの。
国語辞典とレシピ本と冥都七事件とがいっしょくたに並ぶラインナップ 。
ブラウン管のテレビ(現役かは不明)。
魚の骨の延長ケーブル。
ゴミは各自ゴミ穴へ。
何からどう突っ込めばいいのかわかりませんが、いちいち突っ込むのではなく「ここはこういうとこなんだ」と受け入れてしまうと、お酒も手伝ってか、異常なほどに居心地が良くなってきます。
これはネコの魔力でしょうか。それとも磁場が狂ってるのでしょうか。
酔いも回ってすっかり良い気分の案内人&同行者たち。
この日、案内人はこのお店で朝まで呑み、潰れて寝ていったそうです。
デザートに出てきた夕張メロン。お客さんからの差し入れだそうです。
こういうイレギュラーが面白いですね。
この日のお会計は4人でお酒8杯、ソフトドリンク2杯、料理数品も合わせて6,100円でした。
メニューも伝票も無かったので、何杯飲んだかを酔っ払った頭でなんとか思い出しつつ、退店時にタマさんに自己申告します。
どういう計算式かは不明ですが、タマさんは指で数えながらのお会計でした。
レジどころか電卓すら無しですが、みんな酔っぱらいでもう全然おっけーです。
ありがとうございました!
店舗情報
スペースネコ穴
住所:京都府京都市下京区燈籠町592-1
営業時間:夜
定休日:不定休
最寄り駅:四条烏丸から徒歩5分
書いた人:
mamita
ひとり結婚式をした人として恋愛コラムからベンチャー企業取材までネット上に文章を書いています。ライター兼アマチュアボクサー。犬2匹+人間3人+夫と共に京都の町家シェアハウスで暮らしています。 黒歴史STORYS:mamita . | STORYS.JP webサイト:三十路でひとり結婚式
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