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外国人がフィギュアとゆるキャラに否定的でコスプレOKな理由

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 作家であり演出家として海外公演の経験もある鴻上尚史氏が司会を務めるNHK BSの人気番組『cool japan』。日本の「クール」な点について外国人の視点から解説する番組だ。そんな中、「クール・ジャパン」としてコスプレには肯定的な意見が多いのに、フィギュアとゆるキャラに対して外国人がネガティブな視線を向ける理由は何か。鴻上氏が解説する。

 * * *
 日本オリジナルの発明品は実にクールです。

 1964年の東京五輪では、美術評論家の勝見勝氏の主導のもと、様々なピクトグラム(絵文字)が作成され、世界中から高く評価されました。競技種目を表わす絵文字が体系的に作られたのはこの時が世界初。現在も、「非常口」を示すおなじみのサインが世界規模で使われています。

 この時、作成に関わったデザイナーたちが勝見氏の呼びかけにより著作権を放棄したため、五輪後も世界中で日本発の絵文字が使われました。彼らの行為も感動的です。

 ファッションの分野でも話題は尽きない。僕が2006年にロンドン公演をした際、ある英国人俳優が「動きやすくてカッコいい」とニッカボッカを稽古場で穿いていました。日本ではガテン系の定番ですが、外国人には機能やデザインが魅力のようです。同様に花鳥風月の絵柄が描かれたカラフルな地下足袋もお土産として人気です。

 思わぬ文化的背景を感じさせられたのが人間型ロボット。漫画の「鉄腕アトム」に始まり、実物の「ASIMO」(ホンダ)、「ペッパー」(ソフトバンク)まで人間型ロボット開発は日本の独壇場です。欧米発が少ないのが不思議でしたが、敬虔なクリスチャンのイタリア人男性が「人間を創るのは神だけ。人間は人間を創ってはいけない。だから人間型ロボットを開発できない」と教えてくれました。

 日本が世界に先駆けて2010年に打ち上げた宇宙ヨット「イカロス」の開発では、ある伝統文化がヒントとなりました。太陽光の圧力で航行するため、宇宙で広げる一辺14mの巨大な帆を折り畳む際、折り紙の技術を転用したのです。広大な宇宙と小さな折り紙の融合とは、実に夢のある話です。

 伝統文化が称賛される一方、外国人がネガティブな視線を向けるのがフィギュアとゆるキャラです。ポップカルチャーの代表である両者だけに意外な反応ですが、基本的に海外では「マンガやアニメは子供の文化」とされて、大人がそれらに熱中するのは「幼児的」「成熟していない」とみなされます。多くの外国人は、警視庁のマスコットがピーポくんという現実に「ふざけているのか」と青ざめます。

 ところがコスプレには一転、「立派な自己主張だ」と肯定的な意見が増え、ゴスロリファッションやメイドファッションのファンという外国人も大勢います。日本のポップカルチャーは賛否両論なのです。

※SAPIO2015年11月号


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