ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

早起きで脳卒中や糖尿病リスク高まり寿命縮める説はホントか

DATE:
  • ガジェット通信を≫

「早起きは病気発症のリスクを高める。6時前に起床してはならない」

 英オックスフォード大学の睡眠・概日リズム神経科学研究所の名誉研究員であるポール・ケリー博士が、英国の科学イベントで発表したそんなレポートが大きな話題となっている。

 世界中の人間の睡眠パターンを分析したというケリー博士は、朝6時以前に起きる人は、朝7時以降に起きる人に比べて、心筋梗塞や脳卒中など循環器疾患の発症リスクが最大4割も高く、さらに糖尿病やうつ病など循環器以外の病気でも2~3割程度、発症リスクが高くなるという。

 他にも、早起きによりメタボリック・シンドロームや糖尿病、高血圧などのリスクが増し、集中力や記憶力の低下も招くというのだ。渦中のレポートの根拠についてまとめるとこうだ。

 人間の体には24時間周期でリズムを取る体内時計が備わっている。朝、目覚めてから朝日を浴びると、体内時計がリセットされて自律神経やホルモン分泌のリズムが整う。

 しかし、早起きによって体内時計の周期と実際の生活リズムにズレが生じる。このズレが年齢とともに大きくなり、臓器や脳に徐々に負担がかかって健康リスクが生じるというのがケリー博士の主張だ。

 彼によれば、世界中のあらゆる人の睡眠パターンを分析した結果、個人差はあるものの、起床時間をはじき出すことに成功。青年期(15~30才)であれば朝9時、壮年・中年期(31~64才)なら朝8時、高年期(65才以上)だと朝7時としている。また起床後の活動時間については青年期は11時、壮年期・中年期は10時、高年期は9時が最適だと述べている。そして『週刊現代』のインタビューではきっぱりこう言う。

「この数値を見れば明らかなように、すべての年齢層の人にいえることは6時よりも前に起床することは人間として本来あってはならないということです」

 健康にいいとされた早寝早起きが一転して寿命を縮めるとなれば一大事! 女性セブンはさっそく取材を始めたが、多くの医師は「早起きが寿命を縮める」とのケリー博士の見解に首をかしげる。

 医学博士の狭間研至氏もその1人だ。

「確かに体内時計は人間の体に備わっています。これは太陽とともに起きて、沈むとともに寝ること。地球は通常24時間で1回転していますが、体内時計は1時間ほどズレているといわれています。このズレをリセットするのが光を浴びること。だから、本当に早起きが体内時計を狂わせて、病気を誘発するのかはわかりません」

 最適な睡眠時間の長さは、人によって違う。早寝早起きがライフスタイルにすごく合っているという人が急にやめる必要はないだろう。

「体内時計のリズムでは、夜11時~朝3時くらいまでは体のメンテナンスにあてる時間なので、この時間帯にゆっくり体を横にすることが大事なんです」(狭間氏)

 一方、睡眠医療の専門家でスリープクリニック調布院長の遠藤拓郎氏は、「確かに早起きには病気のリスクがある」と指摘する。

「人間のパフォーマンスは体温に関連します。体温が高いと人間はうまく能力を発揮できる。人にもよりますが、人間の体温が最も高くなる時間帯は夕方4時から夕方6時。水泳大会でも朝より夕方のほうが体温が高いので、いい記録が出ることが確認されています。

 逆に朝4時から朝6時までは最も体温が低い時間帯。高齢者がこの時間に無理やり体を動かそうとすると負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞につながります」(遠藤氏)

※女性セブン2015年11月12日号


(NEWSポストセブン)記事関連リンク
就寝前に暗い室内で携帯・PCメールはご法度と専門家語る
忙しかった1週間の疲れは「寝だめで取れる」の真偽とは?
「体内時計がずれると太りやすくなる」休日でも早起きが重要

NEWSポストセブンの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP