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商標権紛争~「白い恋人」対「面白い恋人」

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 今回は実際に商標権が問題となったケースについてご紹介したいと思います。

 北海道土産といえば、石屋製菓の「白い恋人」を思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか?その石屋製菓が、「白い恋人」のパロディ商品として「面白い恋人」という菓子を販売した吉本興業を商標権侵害があるとして訴えた事件があります。「白い恋人」対「面白い恋人」として、当時様々なメディアが報道していたのでご記憶の方も多いかもしれません。

 吉本興業が販売していた「面白い恋人」はみたらし味のゴーフレットで、「白い恋人」の白と青を基調としたデザインで中央に山の絵が書いてあるパッケージに良く似たパッケージです(面白い恋人は、中央に大阪城が描かれています)。
 発売当初は、大阪土産として、新大阪駅や、伊丹空港、関西空港など大阪近郊で販売されていましたが、その後東京のショップや、京都や神戸でも販売されるようになりました。
 石屋製菓側は、東京でも販売されていることを知り、これは見過ごせないとして、商標権侵害及び不正競争防止法に基づいて販売の差し止めと生産している商品の破棄を求めて訴えを起こしました。

 商標権の侵害に当たるかどうかはどのようにして判断されるのでしょうか?
 商標の類否の判断にあたっては、商標の見た目・読み方・一般的な印象の類似性の検討に加えて、実際の取引状態を考慮して、総合的に出所混同のおそれがあるかについて、取引者や一般の消費者が商品購入時に通常払うと考えられている注意の程度を基準として判断することになっています。
 「白い恋人」と「面白い恋人」ですが、「白い」と「面白い」では見た目も読み方も意味も異なり、パッケージも確かに「白い恋人」に似ている部分もありますが、お土産を買いに行った人が、「白い恋人」だと思って「面白い恋人」を買ってしまうようなことはなさそうです。上記の判断基準に従うならば、商標権の侵害には当たらない、と判断される可能性が高いと考えます。

 この問題は、最終的には裁判所の判決ではなく、平成25年2月に、石屋製菓と吉本興業の和解で終わりました。

(1)吉本興業は、「面白い恋人」のパッケージを「白い恋人」と誤認混同のおそれがない内容に変更すること
(2)「面白い恋人」の常設小売販売を、大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山に限定すること(北海道と青森を除く地域で年間36回を上限とした短期間での催事については例外)
が和解の内容とされています。
 吉本興業にはなかなか厳しい内容となっていますが、吉本興業の本業は菓子製造ではなく、「面白い恋人」の売上が吉本興業の業績に貢献する割合がそれほど大きくないので、これ以上裁判を長引かせるのも得策でないと判断して和解に応じたのかもしれません。

元記事

商標権紛争~「白い恋人」対「面白い恋人」

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