ドワンゴ取締役・夏野氏「未来を知りたければ攻殻機動隊を見ろ」

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『攻殻機動隊』の魅力について語り合った(左から)磯崎哲也さん、夏野剛さん、藤津亮太さん

 ニコニコ生放送は2011年6月1日、雑誌「FJ(ファイナンシャル ジャパン)」が7月号で特集した劇場版アニメ攻殻機動隊S.A.C. SSS 3D』企画の続きとして、『攻殻機動隊S.A.C. ファン鼎談on FJリターンズ』を放送。”攻殻”の識者3人が、『攻殻機動隊S.A.C.』の魅力について語った。中でも出演者のひとりであるドワンゴ取締役・夏野剛さんは番組内で「未来を知りたければ攻殻機動隊を見ろ。攻殻は最も適切な日本の未来」と”攻殻愛”にあふれた持論を展開した。

 『攻殻機動隊S.A.C.(STAND ALONE COMPLEX)』は2002-03年に放映されたテレビアニメーション作品。総理大臣直轄の防諜組織・公安9課(通称・攻殻機動隊)のメンバーが”電脳化”の進んだ近未来世界で活躍する設定の物語である。士郎正宗さんによる原作、そして押井守さんが手がけた劇場版シリーズとはまた違う、『第三の攻殻機動隊』として人気を集めた。後に『東のエデン』などの話題作を監督する気鋭のアニメ作家・神山健治さんの出世作でもある。

 夏野さんは、原作からアニメまでシリーズのほとんどを網羅している生粋の『攻殻機動隊』ファンだという。もちろん『攻殻機動隊S.A.C.』もお気に入りだといい、『攻殻』シリーズが取り上げてきたテーマは、多くが今の日本の重要課題になっていると、その先見性を絶賛する。

 共演者である公認会計士の磯崎哲也さんや、アニメ評論家の藤津亮太さんも夏野さんの見解に同意。通信機器などの発達、さらに義肢やレーシックなどを例に挙げ、「義体化」(作中用語。『攻殻』世界では脳と中枢神経以外のすべての器官が機械化できる)や、「未来での人間の在り方」について示唆に富んでいると話した。一方で、原発問題など今日の社会的な問題についても、『攻殻機動隊』は20年前から取り上げてきたと指摘。「SF世界と現実の諸問題が適度にミックスされた、『攻殻』シリーズの描いた世界がいよいよ現実味を帯びてきた」と、『攻殻機動隊』の問題提起、その奥深さや魅力が尽きないことを視聴者に示していた。

 また夏野さんは「今の日本のトップには『攻殻』を語れる人がいない」と嘆き、

「国会議員には、全員見ろと言いたい。ITやメーカーの経営者は攻殻機動隊を全巻見ないとクビにすべき」

と主張。『攻殻』がもっと一般化すれば、日本にも茅葺総理(攻殻機動隊の登場人物)のようなリーダシップにあふれる人物が生まれると、布教に息巻いていた。

村井克成

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]夏野さんの「国会議員は全員見ろ」発言から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv51223417?ref=news#16:45

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