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Album Review:ザ・デッド・ウェザー『ドッジ&バーン』 ソロを通じて更に研ぎ澄まされたジャック・ホワイトのプロデュース力が冴える1枚

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 むせ返るほどにブルージーでありながら、そのまま最先端でもあるというほどにエキセントリック。ザ・デッド・ウェザーの通算3作目となるアルバム『ドッジ&バーン』は、9月末にリリースされBillboard 200で10位を記録した。現在は主にソロとして活躍するジャック・ホワイトや、ザ・キルズのフロントウーマンであるアリソン・モシャートらを擁するスーパーグループの、5年ぶりとなるアルバムだ。

 デッド・ウェザー始動のきっかけは、災いが福に転じるような偶発的なものだった。当時ザ・ラカンターズとして活動していたジャック・ホワイトが2008年9月のライヴで気管支を痛め、その日のステージをシェアしていたザ・キルズのアリソンを急遽ゲスト・ヴォーカリストに招いたのである。そのショウに手応えを感じたジャックは、ラカンターズのベーシスト=ジャック・ローレンスや、以前ツアーのサポート・メンバーでもあったディーン・ファーティタ(クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ)らに声を掛け、デッド・ウェザーという新プロジェクトをスタートさせた。

 本作が前作から5年のリリース・ブランクを要した理由は、その間にジャック・ホワイトのソロ作やツアーを挟んでいた点が大きいだろう。プロダクションもツアーのメンバー編成も次々に新たな試みを加え、ジャック・ホワイトは素晴らしいソロ・キャリアを築いていった。驚くべきなのは、そんな中で2014年のソロ2作目『Lazaretto』の直後に、『Dodge and Burn』のレコーディングが行われていたことだ。ジャック・ホワイトの異様なワーカホリックぶりというか、その時折の思考と感情をすべて音楽に落とし込んでしまう人柄が透かし見える。デッド・ウェザーによるセッション型の熱く剥き出しなロックンロールは、緻密なプロダクションの上に成立していたソロ活動の反動として見ると、合点が行くところもある。

 2013年に限定リリースされた「Open Up (That’s Enough)」や「Rough Detective」といったシングル曲も収録されているのも嬉しく、ギターやキーボードの引き攣るようなリフにアリソンの歌声が伝うさまは相変わらずスリリングだ。ジャック・ホワイトが歌う「Three Dollar Hat」辺りのナンバーも良いアクセントになっている。彼のプロデュース・ワークは、ソロ・キャリアを通じて更に研ぎ澄まされているのではないか。エッジの鋭いロック・チューンがズラリと並ぶ中で、アリソンが作曲を手掛けた「Impossible Winner」は、最終トラックを任されるのも納得の荘厳で美しい一曲となっている。(Text:小池宏和)

◎リリース情報
『ドッジ&バーン(Dodge & Burn)』
2015/10/07 RELEASE
Third Man Records / Hostess
HSE-6000 2,400円(tax out.)
※日本盤は歌詞対訳、ライナーノーツ、ステッカー付

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